龍と花
2
・・・聞いちゃいけないことなのかもしれない・・・
それからはその話には触れず、縁側に座って他愛もない話をした
暫く話していると、光さんが小さく震えたのが分かった
今は十月だ、昼間とはいえ少し肌寒い
「大丈夫ですか?・・・あ、そーだ、コレ・・・」
羽織から駅前で配られていたカイロ(ずっと持ってたw)を出して渡した
まだ使うには早いと思っていたのに、もう役に立つとは
「どうぞ」
「おや・・・いいの?」
「はい」
「ありがとう、楓さん」
光さんは優しく微笑んで俺の頭を撫でてくれた
俺も自然と笑顔になる
またお話ししようね
そう言って光さんは部屋に戻って行った
またすることが無くなってしまった俺は、散策の続きをすることにした
長い廊下を歩きながら庭を眺める
今度林さんと言う人に会ってみたいなぁ・・・
そんなことを思いながら前に向き直ると
「・・・あれ?」
廊下のちょっと先に、さっきまで居なかった小さい男の子がこちらを見ていた
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