龍と花 不安 「・・・龍也・・・」 心配、してるかな・・・ 勝手に出てきてしまったことを少し後悔していると、カランとドアが開いた 一瞬龍也かも、と期待して振り向いたが、そこに居たのは見たことのない人だった お客さんか、とまた前に向き直る 静かな空間に、コツコツと足音が響く って、ん?なんか足音俺の方に向かってきてないか・・・? まさか、と思いつつ振り返る 「!?」 さっきの人が俺のすぐ後ろに立ってい た 振り向いた拍子に目が合ってしまい、離せない 遠目だとよく分からなかったけど、この人、すごく整った顔立ちをしてる・・・ じっと見ていると、不意に男が口を開いた 「そこ、俺の席」 「へ?」 ぽかんと見上げていると、だから、ソコ俺の場所 と睨まれた 意味を理解した俺はすぐにソファから降りて近くの椅子に座る [*過去][未来#] [戻る] |