龍と花
達郎と楓
顔を上げると、どこか不機嫌そうな龍也と目があった
「痛い・・・です」
「誰と入った」
「・・・っ」
「言え」
ギリ、と手首をしめられ、痛みで目に涙が浮かぶ
なんでこんなに怒っているの・・・?
「楓、一人ではなかったんだろう?」
コクリと頷く
「誰と入ったんだ」
「っ・・・た、龍郎君と、龍征君ですっ」
そう答えると、龍也は目を見張った
「あの二人と入ったのか」
「う・・・ん」
頷くと、そうか、と言って俺の手首を離した
見てみると少し赤くなっていた・・・でも、悪いと言って龍也が優しく撫でてくれたから、大丈夫
「アイツらとどうして入ることになったんだ」
俺の目に溜まった涙を拭いながら問い詰めてくる龍也を落ち着かせ、そこまでの経緯を話した
龍也は驚いたような顔をして俺を見ていた・・・なんで?
「どうして驚くんですか?」
「・・・龍郎は、龍征と、親以外には懐かなかったんだ」
「・・・ぇ」
「俺にもな・・・お前からは何かを感じたのかもな」
お前らは、似てるから。
そういうと龍也は俺の頭をわしわしと撫でた
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