龍と花
2
しっかりしていてもまだ子供だ。親が近くに居ないのは寂しいだろう
「でも、龍郎や組の皆さんがいますし、寂しくなんかないです」
そう言って龍郎君の頭を優しく撫でる龍征君
「僕も!りゅーせーが居てくれて、良かったよぉー」
ニコニコと笑う龍郎君。血は繋がっていなくても、本当の兄弟みたいだ
「二人ともいい子だね」
二人をまとめて抱きしめる
サラサラの髪が顔に あたってくすぐったい
「っひ、日向さん」
龍征君が照れているのか慌て始めた
今までこうしてもらったことがあまりないのかな・・・?
二人の頭を軽く撫でる
「俺には気を遣わなくていいんだよ、君はまだ子供なんだ、少しくらい甘えたって大丈夫」
そう言うと、龍征君は力を抜いて俺にもたれた
「日向さんは優しいですね・・・」
「そうか?」
「ふふ・・・」
ありがとうございます。そう言うと龍征君は腕の中から出て行った
「僕たちの部屋すぐそこなので。龍郎、行くよ」
「はーい、あ、お兄ちゃん」
去り際に俺の方に走ってきた龍郎君。
しゃがんで?と言われそれに従う
俺の耳に、口と手を持ってきて、小さい声で
「りゅーせー、嬉しそうだった。ありがとう、
お兄ちゃん」
そういうと笑いながら去って行った
あの二人は本当によくお互いのことを分かってる
俺は微笑んで二人の背中を見送った
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