龍と花
俺の救世主
「ぅぁ・・・」
もうダメだ、この人を前にすると俺が俺で無くなってしまう気がする・・・
「なぁ、楓」
「・・・っ」
「良かったよなぁ・・・?」
耳元で再び囁かれ、ゾクリと肌が泡立つ
「〜〜〜っ、はい」
我慢出来なくなって、つい本音を呟いてしまった
恥ずかしくなって目を逸らす。
チラリと龍也の方を見ると、バチリと目が合ってしまった・・・
再び近づいてきた龍也の唇が 、俺の唇と触れる・・・という所で、勢いよく襖が開いた
「―――若っ!!」
「?!」
「・・・チッ、なんだ」
舌打ちをして、入口を睨みつける龍也
俺は、キスを免れたことに安堵しながら、その救世主様の顔を覗き見ると
そこに居たのは、走って来たのか息を切らしている堂本さんだった
「失礼します・・・実は・・・」
「・・・・・・・・分かった、白木を呼べ。楓につける」
「ハッ」
堂本さんは何かを龍也に耳打ちすると、すぐにどこかに行ってしまった
何事かと呆けていると、頭に大きな手が置かれた
「はぁ・・・悪いな、楓。今から少し出てくる。もう少ししたら人が来るから、何かあったらそいつに聞くといい」
そう言って俺の頭を撫でた
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