龍と花
黒い人現る
空気が穏やかになったところで聞いてみる
「あの・・・ここどこですか?」
俺が聞くと、堂本さんは困った様な、三輪さんが驚いたような顔をした
「なんじゃ、聞いとらんのか」
「まぁ、教える前に気絶させて連れて来ちゃいましたからねぇー」
「おま・・・!何しとんじゃ!」
「いやだって、若の命令だし」
「な・・・若の?」
「そー。あ、でえーっと」
堂本さんが俺の顔見てきた。なんだろ?
「坊、名前は何というんじゃ」
あ、そういえばまだ名乗ってなかったな・・・
「俺、日向楓って言います」
「楓ちゃんねー」
堂本さんがOK、OKと言っていたが、なにが?
「で、なんで君が連れて来られたかと言うとー、俺にもわかりませーん」
「え?」
そんな飄々と言われても・・・
「そして、ここが何処かっていうのはー、あー・・・俺説明とか苦手だからチェーンジ!」
「あ゛?」
投げた・・・三輪さん青筋浮いてるよ・・・
「すいません」
「いいんじゃ、悪いのは全部堂本の せいじゃけんの。楓坊が謝ることはないわ」
頭をガシガシと撫でられる。父さんみたいで顔が自然と喜ぶ
「わぁー、可愛い〜」
何故か堂本さんがニヤニヤと俺の方を見ていた。三輪さんがそんな堂本さんの頭を殴った
「はぁ・・・で、此処はじゃな・・・」
「それは俺が話そう」
「・・・ぁ」
三輪さんの声を遮った、低くて重い声。視線を向けると、「黒い人」が襖に寄りかかってこっちを見ていた
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