APH
花と道の先へ(枢軸+普
遠くても、




綺麗な花を眺めるのは好き。
野に咲く花を摘むのは可哀想だから、ルートと菊と一緒に見に来ようかな。
でも、でもね。
「…ごめんね、ひとつだけちょうだい」
一輪だけもらって走る。
二人に見せたいから。
「ぉ、フェリシアーノ!」
「あっ!」
ギルベルトだ!
一目散に駆け寄ってきて、逃げようと踵を返した俺を抱き締めた。
「やりぃ!フェリシアーノ捕まえたー!」
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!離してぇぇー!俺なんか美味しくないよ!つまらないです!」
担ぎ上げられ運ばれる。
やだこの人怖いもん!
ルートールートー助けてルートー!
誘拐だよ拉致監禁だよ怖いよぉぉー!
泣き叫んで暴れる俺の足を撫でながらギルベルトは意気揚々と歩く。
「大丈夫だって、痛くしねーよ!だからな?な?ルートにも会わせてやるって!」
「うぅ…本当に?痛くしない?ルートに会えるの?」
かなり怖いけど、それなら我慢するよ。
笑顔で頷いて、真っ直ぐ歩いてく。
何処に行くのかわからないけど、俺の目線の先、ギルベルトの歩いた後には沢山の花があって。
俺が持っているのとはちょっと違う花。
…綺麗だなぁ。
「ほら、此処だ」
「…ヴェ?」
草の上にふんわりと降ろされた。
周りを見ると、向こうの方でルートと菊がお茶の準備をしてた。
…ピクニック?
「呼んでこいって言われて探してたんだよ。いやぁ偶然見付けるとか流石俺だよな!俺天才!」
「ルートー!」
走ってって、ルートの腰に抱きつく。
びっくりして怒ろうとしたけど、俺が泣いてるのを見たら苦笑して頭を撫でてくれた。
菊はいつも通り微笑んでて、あったかい。
「さ、お茶にしますか」
「わぁーい!」
菊のお茶と、俺のお茶。
両方の準備が出来てたから、順番に飲むことにした。
菊は大福ってお菓子を俺の口に押し込んで、自分も一口かじってから満足そうに頷いてルートと目を合わせる。
「やっぱり、たまにはピクニックというのもいいですね」
「うむ…たまにはな」
「俺最高!」
「お前は静かに出来ないのか!」
真っ白な大福を食べながら、持ってた花を見る。
摘んでから時間が経ったのに、まだ元気に咲いていた。
そっとポットに寄り添わせて、菊のお茶を飲む。
嗚呼、美味しいな。
思わず口許を綻ばせて、俺は笑った。




(ピクニックって、誰が考えたの?)
(コイツだ)
(ほらなやっぱりピクニックやって正解だろ!?だろ!?俺って最高だよな〜崇めてもいいんだぜ!)
(…………………そっか)

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あきゅろす。
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