熱龍 ※
龍成の部屋に引きずり込まれると、「じゃまくせぇ」と浴衣の上に羽織っていた厚手の羽織を引き抜かれて、そのままの勢いで布団の上に投げ捨てられた。



「うわっ!」


手をついて倒れ込んだ布団はまだ温かく、さっきまで龍成は寝ていたのだろう。目が覚めて虎太郎がいないので連れ戻しに来たというわけだ。投げ捨てられて慌ててその身を起こすと、上からのしかかられて身動きが取れない状態になった。

「こら病人。重いからどけ」

無言で俺の体の半分に覆いかぶさるようにして倒れ込んできた。首と腰にそれぞれの腕をまわし、俺を抱き枕にして眠るつもりだ。お互い寝巻が薄手の浴衣なので龍成の密着した体の熱さを直に感じて居心地が悪い。絡められている足なんてもう浴衣をまとっていない。素肌と素肌が重なり合って、しっとりと浮かぶ汗までも肌で感じ取ってしまう。

「ひやっこくて・・・いいわ・・・」
「おまえ・・そんなに熱いのか?」

そう言えば39度とか言ってたな。龍成は掛け布団もかぶらず、俺の体を横抱きにして、冷たさを求めて体のあちらこちらを触りまくった。

「なあ、熱あるんだから、大人しく寝ろって」
「汗を・・・かいたほうが・・・早く治るん・・・だぜ」

それは、薬とか注射をしたあと、ちゃんと布団かぶって寝ると汗をかくから熱が下がるのであって、お前のはやり方が違うだろうと言って聞かせても、熱に浮かされた奴にはあまり聞こえていないようだ。

「安静にしないと。注射打ったんだぞ」
「あのヤブじじい、妙なもん打ちやがって、逆にだりい・・」

そりゃそうだろう。鎮静剤打ったんだから動きが鈍って当然だ。普通なら覚醒しないはずなのに、頭だって体だって普通に機能するはずがないのに。本能で動くあたりやっぱこいつバケモンだ。




「ああ・・もう!分かった。添い寝くらいならしてやるから動くなって」

どうしてこんなにくっつきたがるんだろう。いつも以上に束縛したがる龍成に複雑な心境になる。
相変わらずゼーゼーと呼吸は荒いし、触れるところ全てが熱いし、俺が冷たくて気持ちいいって言うなら寝付くまで人間枕になってやろう。本心は嫌だけど、逃げたってまた追いかけて来るだろうから仕方がない。こいつが早く寝ることを祈ろう。そしたら抜け出せばいい。そのときはデコピンくらいお見舞いしてもいいだろう。

そう言っておとなしく仰向けになってやった。どこでもひっつかんで早く寝ろ!

俺が腹をくくって動かなくなると、龍成も動きを止めて仰向けの俺の横にピッタリくっついた。腕を俺の首の下に入れて、もう片方の手は・・・

「おい、そこは・・・中をさわんな」

浴衣の前をはだけ、なんと直に俺の胸を触り始めた。

「どこさわってんだ!」

首筋から手のひらをピッタリつけて胸に下りた指が、胸の突起に触れた所で止まり、指先がそれをキュッとつまみあげた。

「ヒッ・・」

痛みが走り口から小さな悲鳴が漏れる。すると唇に濡れた熱いものが押しあてられた。

「ふっ・・ん・・・・・っく」

龍成が俺の口を噛むように歯を立て、息つく間もなく舌を奥まで侵入させてきた。キスと言うにはあまりにも荒く、貪るような口づけに呼吸が乱れる。

「なにす・・・やめ・・」

わずかな隙間ができるたびに、抗議するが獣と化した龍成の耳には届かない。体を押しのけようとしてもびくともしない。熱い塊に与えられる口づけから熱が伝播したのか、自分の呼吸さえも熱気を帯び頭がボーとなってくる。

手は、乳首をつまみ上げては指の腹でこねくり、刺激を与えられるたびに虎太郎の体はビクッと跳ね上がる。その反応を楽しむように、さらに指に力が入り小さな胸のつぼみを蹂躙する。
口内を犯しつくしていた口が離れ、やっと自由を取り戻した口からいっぱい空気を取り込み、荒く胸を上下させていると、刺激されている胸と反対側の胸にぬるっとしたぬめりを感じた。

「ひゃ・・な、なに」

チュパチュパと吸いつく音。熱を持った舌が乳頭をチロチロと舐め、今度は歯を立てて乳首を挟み、その先を舌で刺激する。チューと唇をすぼめ乳首を吸い上げ舌でまた乳首をしごく。

「い・・痛っ!」

乳首なんて舐められて、信じられない光景に龍成の頭を引きはがそうと髪を掴む。こめかみや額に汗が・・・なんでこんな発熱した状態でこいつは、こんなこと・・・頭一発殴ってやろうか・・いや、でも
不埒な行いをされて怒っているけれど、目の前で自分を押し倒す奴のことが何故か心配になる。一応病人だから。
大体何で俺はこんな目に遭ってるんだ?過去にそりゃあ性的嫌がらせかと思うようなことは散々されてきた。キスだって、乳首をなめられるのも初めてじゃない。こいつには大事なところまでいじくられたことがある。
そして今、こんな風に寝巻を乱し、肌を合わせて、しかも龍成の部屋の布団の上で裸体をさらし、女みたいに抱かれようとしている。


「りゅせ・・・お前、何か勘違いしてないか・・・俺・・・男!!女じゃないし」



きっと熱で頭のネジが吹っ飛んだんだ。絶対女の子と間違ってる。じゃないと嫌がらせじゃない限り男相手にこんなことするはずがない。必死で訴えると、乳首を舐めまわしていた龍成の顔が上がり、視線が合った。熱を帯びた、でもギラギラした目であいつは言った。



「お前は・・・タロだろ」
「・・・・な、、」



そう言ったきり再び乳首に吸いついて、もう片方の乳首まで指で刺激し始めた。

「うっ、く・・・・・・やめろって・・・さわ・・・・・・・」

俺だと認識してやってんのか?まさか、そんな。
ありえない言葉に愕然としたが、このまま好きにさせてはおけないから病人相手に悪いとは思ったが全力で抵抗することに決めた。

「放せって!」

頭と、肩を手で力いっぱい押し、体をひねって足をばたつかせてみた。相手はゼーゼー言いながら苦しそうに俺にのっかっている病人のはずなのに全然歯が立たない。
浴衣の袂をガバッと開かれ、もはや帯は腰に絡まるだけでなんの役にも立っていない。浴衣は両腕まで下ろされて冷たい冷気が剥きだしの胸や腹に触れる。足の間に体を割りこまれ、下半身も外気にさらされた。覆いかぶさる龍成も浴衣は乱れ胸から足にかけては俺と同じで完全に浴衣がはだけた状態だった。

龍成の手が下腹部に伸びる。へその横を手が滑り落ちそのままスッと下着の中に忍び込んだ。

「なっ・・・!や、どこさわって・・・・」

俺の下着の中に手を突っ込んだ龍成が、俺のを強く握り締めた。

「くっ、や・・・・・・・・・・・・・・やめ・・」



手の中でギュッギュッと握り込み、上下にしごき始める。付け根の袋も竿も全てを大きな手の中に収め、手荒くもみしだいた。

「い、、痛い・・手放せ・・・いた・・」

自慰とかほとんどしたことがない性器を、手荒く扱われて、痛みしか感じない。前に風呂場で面白がって剥かれた時とは全然違う、理性のない飢えた獣のような龍成が力任せに襲いかかる。

「くっ、、っ・・タ・・ロ・・」

龍成も苦しそうに声を出し、俺をしごきながら再び乳首に舌を絡めてきた。

「ん・・ああっ・・だ、・・・やだ・・・よ・・・・」

乳首も性器も同時に責められて拒絶の言葉を吐き、身を固くしてただその痛みと怖さに耐えた。

「ん・・あ・・・」

吸い上げられる乳首がピリッと痛みを感じると、ギュッと目を閉じているのに暗闇に閃光が走る。そして胸のあたりがゾワゾワして今まで感じたことのない疼きがわき上がってくる。虎太郎が妙な声を上げると、それに合わせたように執拗に歯を立てて吸い上げる。


「くっ、、ん・・・ああ・・・」




(「熱い・・・熱いよ・・・りゅ・・・せ・・」)




背が反り、龍成の口に自ら胸を擦り付け、もっと刺激を欲しがるような動きになっているのに、それさえ気づかない。与えられる妙な感覚に翻弄され頭がまともに機能しなかった。
性器を握りこんでいた手がまた動き出す。乳首を味わう舌と同じように、俺を収めたその手は一層激しさを増していった。

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あきゅろす。
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