中学校入学
僕の生活は日々つらい・・・・・・


つらいと言っても、小学校時代はまだ幸せだったかもしれない。

高学年の2年間は嫌な事に3人そろって同じクラスだった。
母親がクラス替えの度に次も同じクラスでお願いしますと、担任に嘆願したからだ。先生も不登校傾向にあった虎太郎が学校を休まなくなり、休み時間外で遊ぶ様子を見て、京極達のいい影響を受けていると、間違った判断をしてくれたので、卒業するまで離れることはできなかった。もちろん登下校を共にし、下校後は綾瀬家に入り浸り、あの二人に精神と肉体を健康的に鍛えられ(僕にとっては不健康)、僕は両親が理想とする、泣かない、強い子になっていった。


ドッジボールで毎日狙い撃ちされて・・・おかげでかわすのがうまくなったけど。
木登りしてそこから飛び降りろとか言われて、足くじいたよな・・・
野球部でもないのにノック100回とか受けさせられて、足腰が立たなくなった。
教室でドッチボールをしてガラス割った時、破片で怪我したらもったいねえとか言って血舐めるし・・・あれは先生が引いてた・・・
鬼ごっこで掴まるたびに僕だけ噛むし。
プールで水中に引きずり込まれてもがき苦しんで・・・
ダーツ投げの的にもなった・・・
お前ならできるとか言われて、近所の橋げたから川に飛び込めと言われ・・・ビビり上がっていたら腕つかまれて一緒に飛び込みやがったし・・・
隣町のサッカーチームと試合するたびに乱闘騒ぎになって、僕まで殴られるし。
プロレス技掛けられて、何度窒息死しそうになったことか・・・
ワンと鳴いて3回まわれとか・・・ま、これは体は痛くないが心が痛い・・・


あの2人に散々な目にあわされた小学校3年間が、思い起こされるよ。不幸なエピソードはまだまだあるんだけどね。

で、どうして小学校のころのつらい出来事をわざわざ思い出してるかって。

それは・・・



「おいこらてめぇ、京極と椎神はどこに行きやがった」

それは俺が聞きたいです。目の前で俺にガンを付ける学生服を着崩した不良3人組は、俺が下校しようと校門を出たとたん絡んできた。


この不良たちに絡まれて僕は心から思う。やっぱり、小学校の時の方がましだ。

戻りたい・・・いや、できればあの2人に会う前に戻って、この生活をやり直したい。


それは・・・今とくらべたら、小学校の時はまだましだったと本当に思えるからだ。それくらい、俺の中学時代は波乱に満ちていた。





ーーーーーーーーーーー

中学生になったとたん、俺の日常生活は流血色のケンカ三昧生活に変わった。
2人に言わせればバラ色の生活らしいが。

入学式の日から先輩に目を付けられた龍成と椎神。そりゃそうでしょ。俺も驚いた。
赤毛に金髪。
どしたの君たち!!俺達数日前まで小学生だったんだよ!?

髪は染めるわ、制服は始めから乱れてるわで、早々に先輩方に目を付けられ、校舎の裏側にご案内。
そしてあえなく撃沈・・・・・・したのはなんと先輩方。俺もびっくり!!
それから、毎日のようにリベンジしてくる先輩方や新たに加わってくる無謀な連中とケンカを繰り返す。
赤毛君と金髪君にいつもくっついている(向こうがくっついてくるんだ)黒髪の俺まで仲間だと標的にされた。
ひどいのはケンカの最中に俺が殴られても一向に助け船を出さないあの2人だ。助けてたら強くならねえだろとか言って実践で学べとかほざきやがった。



俺はそんな毎日が続き、ケンカとかはしたくない、お前達とは無関係だと、そう言ったら、

「んぁ〜タロ、てめえ今なんつった?無関係だと?」

赤毛君は眉を吊り上げて、戦っていたケンカ相手をゴミのように投げ捨てて、仲間であるはずの俺に向かって殴りかかって来た。


「タロ、訂正しやがれ!!」
と、怒りながら殴りかかってくる赤毛の龍成君にはもう敵が見えていない。血走った目に映るのは俺だけ。

本気で向かってくる龍成に、驚きうろたえる俺。

もちろん敵さんたちもいきなり仲間割れをした俺たちに驚く。

「コータ、龍成にあやまりなさい」
と、敵を殴り倒しながら、平然とした顔で俺にブツブツお説教をする金髪の椎神君。

そして猛り狂う龍成の攻撃を命がけでかわす。こんなの食らったら俺死んじゃう。


「ちんたら逃げ回ってんじゃねえ、タロ」

だって逃げないと殴るんだろうが。その血走った眼で逃げるなって言われて逃げないやつはいないって。

「ご、ごめんなさい!!もう言わないから許してってば、う、、、、うわっ!!」

謝るタイミングが遅かったのか、もう龍成には何も聞こえていない。
気がつけば周りの連中は全員あっけなく椎神1人にノックアウトされ、倒した本人は、

「コータァ、今日は多めに噛ませてあげますとか言ってみたらぁ」

龍成のとばっちりを受けるのが嫌なのか、椎神は離れた所から面白そうにこっちを見て叫ぶ。

「くだらないこと言ってないで、助けて===、、ぐっつ、うがぁ」



「あ〜あ。捕まっちゃったよコータ」


とうとう腹を殴られた俺は後ろに倒れ、肩を足で強く踏みつけられた。

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あきゅろす。
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