†黒執事+黒猫† †黒執事+黒猫 act.116† 「聞き捨てならないですね。ティナとアナタが同じなワケないでしょう」 「まあ、セバスチャンは子猫ちゃんを甘やかしすぎよ!女は少しくらいクールな男が好きなんだから」 「甘やかしているつもりはありません。それに好みなど関係ない」 「相変わらず色男ねぇ」 2人の意味のない会話に私は割って入り、セバスチャンに咎める。 「アイツは何なの?」 睨むように言う私にセバスチャンは微笑み教えてくれた 「神と人との中立であるはずの存在」 「……………」 「……―――死神」 死神。 悪魔がいれば黒猫がいて… 今目の前には…死神。 夢のような話だけれど、否定できないのは私が黒猫だから。 ただ… 人に災いをもたらす不吉の黒猫と、静かに魂を狩る死神とでは昔から対立関係にあると言われてきた。 それは悪魔と死神にも言えること。 同じ人間でない生き物とはいえ、その中でも好き嫌いは存在する。 そして今、その一番苦手とする生き物に出会ってしまった だからこんなにも震え、本能ながら拒んでいるのだろう。 「アタシ専用のデスサイズで…アンタたち2人まとめて切り刻んであげる」 「死神の鎌…」 「厄介ですね」 急に取り出された鎌に私とセバスチャンは構えた。 けれど私は気になっていた どうして死神が理由なく殺人など犯していたのか そんなことしたって何の得にもならない。 ‐act.116‐ †猫の天敵である死神。 †前††次† |