†黒執事+黒猫†
†黒執事+黒猫 act.114†
「…………っセバスチャン?」
「あ、すみません…つい。まれに見る美人でしたので」
私と坊ちゃんが真剣に悩んでいるというのに…
ったくこの男の考えてることは理解不能だわ。
そのままセバスチャンを無視していると隣からクスリと小さな笑い声が耳に届く。
『何?』とは言わず目だけで訴える。
軽く睨むように。
「妬きましたか?」
「………っ…あり得ないわ」
「…ティナが一番美人ですので…大丈夫ですよ?」
「そんな言葉…望んでない」
「素直に受け取ってはどうですか?」
「嫌よ。セバスチャンの言葉を全て真に受けるなんて」
淡々と言い放ち私はセバスチャンから離れた。
落ち着いた口調とは裏腹に心臓が痛い。
理由は分からないけれど、最近セバスチャンを見ると痛くなる
ズキズキじゃなくて…
ギュウッと締め付けられる感じ。
そんな心臓を服の上からキュッと掴み、私はメアリー・ケリー宅を見つめ続けた。
奴が来るのを待ちながら。
‐act.114‐
†少し違和感を感じる猫。
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