†黒執事+黒猫†
†黒執事+黒猫 act.110†
そこには楽しげに微笑んだセバスチャンの顔。
思わず背筋に悪寒を感じて身震いする。
「…すごく、嫌な予感がするわ」
「奇遇ですね。私もですよ」
ゆっくりと笑うセバスチャンは気味が悪くて私は坊ちゃんの部屋へと足を向けた。
するとセバスチャンが私の名を呼び…
「…坊ちゃんの部屋に行くのですか?私もご一緒します。
少し…お話したいことがありまして」
あまりにも真剣に話すセバスチャンに私は目を逸らして先を進む。
ついて来るセバスチャンを無視して私は坊ちゃんの部屋をノックした。
コンコン…
「失礼いたします」
部屋へ入ると寝転んだ坊ちゃんが目に入り、同時に坊ちゃんは口を開いた。
「どうだ…何か見つかったか?」
「何度シュミレーションしても子爵以外に一連の事件に関われる人間はいませんね」
セバスチャンの言葉に私は耳を傾ける。
…………………
何かが引っかかる。
何かが頭をよぎるのに、何も思い出せない。
「調査条件を変えるしかないのか?
昨日の事件に子爵は関われない!」
「そうですね
子爵邸にいた人間には不可能です」
…………………
…"人間"……
「とりあえず明日は…―――」
「…坊ちゃん」
「どうしたんだ…ティナ」
まさか…
!?
「ティナは気付いたようですね」
「でも…ホントなの?セバスチャン」
「何度も言っているでしょう
私は嘘をつきません、と」
ニヤリと笑ったセバスチャンを私は睨み付けた。
でも…
怒っているのは気付かなかった私自身に。
私はあの日…
その犯人を目撃している…――
私たちと同じ
"人間でない生き物"を
‐act.110‐
†人間と私達。
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