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見つける
自分
私は学校が終わって駅に向かって歩いていた途中『彼女』にあった。彼女は私を見つけて

「よっ!」

と言いながら、手を振ってきた。
私と彼女は特別仲が良いわけでもない。ましてや友達ですらない。
そのまま彼女と一緒に駅に向かった。駅に着いたらもう電車は出発しており、次の電車が来るのは30分後だ。
その間、彼女とたわいもない話をしていたのだが、突然彼女が

「あんたって凄いよね」

「はぁ?」

どうして行きなりそんな事を言い出したのか、分からなかった。

「ゴメン、ゴメン行きなり。でもさあんた虐められてるのにどうして平然としてられるの?」

「私は自分を他人事として見ちゃうからだよ。」

こんなこと言って良いのか分からなかったが、彼女は誰にも言わないだろうと思って私は彼女に伝えた。

「虐められても私は全てを他人事として捉えちゃうから全然傷ついても、悲しくもない。」

「あたしはあんたのそう言う所を尊敬するよ」

「私はそう言う所を尊敬されたくない。」

いつの間にか電車が来ていたので乗り込んだ。私と彼女は降りる駅が一緒だ。そこまで家は遠くなく、2駅先で降りる。

「ふーん、感情がどうのこうのってつまらない事でも考えてるの?」

「つまらない事じゃない」

「つまらない事じゃん」

「あんたにk『えー、次は「過去、過去」です。お降りの際は気をつけてお降りください。』

アナウンスで私の声は消えた。しかもいつの間にか、最寄り駅についていた。彼女と私は電車から降り、少し歩いていたが踏切に差し掛かった所で彼女がいきなり止まった。
彼女は
ねぇ。だったらこう言い換えるよ。
と言いながらゆっくり振り向いた。

「そう言う感情を持ち合わせてるあんたが凄い」

「私は好きでこうなったんじゃない。私はただ単に、純粋に感情が欲しいだけだ。」

「だったら精々一人でもがいてるといいよ。あたしはそれを、影から見て滑稽だと笑ってあげるから。」

「…」

「もし、その感情を探すのに息詰まったら、他の人に頼ればいいさ。そしたら何か得られるかもね。例えば、自分の弱いところ、駄目な所とか…ね。 それでもやっぱりあたしは、滑稽だと言ってあんたを嘲笑うけどね。」

「嘲笑いたかったら嘲笑えばいい。私は感情が得られるのなら、そんなの痛くも痒くもない。」

「そう。精々もがき苦しんで頑張りなよ。じゃぁね。」

そう言って、彼女は歩いていった。しかし、少し歩いた所で立ち止まり、振り向かずに

「過去にばっかり囚われているあんたは、ただの牙も爪もない、何もない弱いライオンだけどね。」

最後の言葉を言い終わると同じに、電車が来た。
私は彼女の言うとおり弱いかも知れない。でもやらないで諦めるわけには行かない。ちゃんと前を向いて、過去に囚われず進んで行こう。
電車が通り終わって彼女が歩いて行った方に目を向けたが、もう彼女の姿はなかった。
私は少しの間彼女が去って行った方を眺めていたが、気づいたら辺りが暗くなり始めていた。




私もそろそろ家に帰ろう。
そう呟いて一人歩き出した。











あきゅろす。
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