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モノクロツインズ
秘密の花火R

リクエスト下さった愁様、ありがとうございました。





毎年いつもの公園で行われる夏祭り。
恒例行事として、21時から2000発もの花火が夜空を飾る。

…オレは今年も、あいつを誘う。



「なあ陽。今年こそ用事入れてないだろうな?」

「ん?なにが」

「夏祭り!花火大会!」


ああ、そのこと。
素っ気なく返す陽に、オレは苛々。

オイオイ。
もしや今年も一緒に行けないのか…?


「…あけてあるよ」

「えっ、まじ?」

「なんだよ、嬉しくないのか?」


ぎゃーやった!
オレは叫んで思わず陽に抱き着いた。
嬉しいに決まってんじゃん!
今年こそ陽と行ける!


「わぁーうれしいなぁ!今から楽しみだ!」

「可愛い奴め」

「言うなよ!とにかく、絶対一緒に行くんだからな!分かったな!」

「へいへい」


手をヒラヒラさせてオレを引っぺがす陽の冷たさはもう関係なかった。

そのくらい舞い上がっていたオレは、その日一日を頭ふわふわ状態で過ごし車に轢かれそうになる。
おっさんに怒鳴られたけどオレはキレなかった。
(いつもはこちらが悪くても罵声を浴びせてやる)



夏祭り当日。
Tシャツに半ズボンという軽い格好をして陽と家を出た。

夏の夕方独特の湿気が欝陶しかったけど、隣で陽が笑ってて、オレも笑っててかなり気分がいい。

イカ焼きを二つ買って、とりあえずその辺をうろうろする。
結局そのまま歩き疲れて堤防に座った時には既に花火大会開始5分前になっていた。

周りにはカップルやら友達同士やらで祭りに来た人達でガヤガヤしている。

そのガヤガヤに紛れて陽がオレの腰に腕をまわして引き寄せてきた。
さっきまでふざけて笑ったりしてたのに、急にそうするものだからオレも対応に困ってしまって。


「月、花火もうすぐだよ」

「あ…う、うん…」

「どうしたの?大人しくなっちゃって」

「べ、別に」

「ふぅん……あ、月」


腕をグイッと引っ張られ、陽の方を向くと同時に唇に何かが当たった。


…ドーン!パァーン!


空で、弾ける音と瞬く光。
花火大会が始まった。

でもオレ達は空を見てない。
お互いの瞳の光を瞳に映して、キスしてる。

周りは自分達の上に夢中。

誰もオレ達が、本当はいけない秘密のコトをしてるとは知らないのだ。


陽の瞳が赤く光った。

きっと頭上でだけではない、真っ赤な花火が上がったのだろう。





end



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