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脂
ある日、夢の中で僕は奇妙な街の政治運動に巻き込まれていた。パステルカラー、ガウディの粗悪な模倣の家々が建つカオス極まりない街並み。サーモン・ピンクに薄水色の斑模様が入った街一番の広場。空は見事なラベンダー色。拡声器は鮮やかなオレンジとレモン・イエロー。政党は二つ。揚げたてのたまごドーナツに添えるアイスについて。バニラアイス党。チョコミント党。広場で両政党のスピーチは白熱してゆく。僕はぼうっとそれを見ている。街の住人が僕のムナグラを掴むようにして聞いてきた。お前はどっちなんだ！僕は躊躇わず淀みなく答えた。両方乗っければ良いじゃん。水を打ったように静まり返る広場。一気に僕へと押し寄せる人の波、波、波。僕は転がるように広場から一気に階段を下り、激昂した街の住人達から逃れようとして転落。同時に覚醒した。余りにシュールな出来損ないの悪夢から覚めた僕の頭は、アイス。ドーナツ。二つの単語で埋まってる。ご丁寧にでかでかと太字だ。さてどうするかと考えて、僕はドーナツを温め、たまたま家にあったバニラアイスの中にぶち込んだ。見事なバニラアイス党への投票。当選万歳おめでとう。カロリー爆弾に栄えあれ！腹の脂肪に惜しみない投資と拍手を！
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