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呆けた君の顔。そらされた瞳から涙が溢れる。
抑えつけていた手を放してやり、背中を向ける。
「そんなの。絶対嘘だもん…」
泣きじゃくる名前を入れてね。抱きしめてなだめてやりたい…。
「半助ぇ…もう、背中は嫌だようι」
おずおずと振り返り、小さく震える身体を強く抱きしめる。
名前を入れてねの大きな瞳が居心地悪そうにおよぐ。
「本当?? …さ、さっきの」
瞳が私を見上げる。まっすぐな瞳。こくりと頷くと。顔を真っ赤にする。
「あたしも……」
「ふぅん…」
かわいすぎる…。髪を撫でてやると、安心したのか腕の中でぐっすり眠った。私の気も知らないで…ι
南蛮渡来の石鹸の香り。半年前とは違う種類なんだろうか?? 記憶していた香りより、少し甘い。
寝てしまった今でも、汚れた着物をしっかり掴んで放さないものだから、愛しさが余計に込み上げる。
「名前を入れてね…ι」
穏やかな寝息。腕枕をしてやり、添い寝をする。
愛しい人と半年、触れ合えもせず、悶々とした日々を過ごしていた。想いが通じ、当然の様に強烈な欲望が沸きおこる。
襟に手を入れ、直に肌に触れる。
「んんッι」
かわいい声。悪戯しがいがある。私を惑わす2つの膨らみ。その尖端を指で挟む。
「あ…ん、半助…」
「名前を入れてねッ、名前を入れてねッι」
もぞもぞと妻を犯す指。唇を重ねると、息苦しそうに悶える。もう我慢できそうにない…。
君を抱き支えていた腕を引き抜き、覆いかぶさる。