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「だから私服だったんだね、で…それが私に何の関係があるの?」
「お前もついて来いと言っている」
「…何で?私も行く意味ないじゃない」
彼方は私の思考回路の上をいく、意味が判らずに聞き返しながら不満な顔を作る。
「暇だからだ」
「……」
「私と二人っきりは嫌なのか?名前を入れてねも暇してるのだろう?」
私が何も言わなかったので彼方は一息おいてそう言った、二人っきりの言葉に身体が反応する。
私は彼方には勝てないのだろう、意地の悪い笑みにさえ身体を熱くさせられる。
「…行くわよ」
「始めから素直にそう言えば良いものを、早く支度を済ませてこい」
「わかった、仙蔵くんは先に小松田さんにサインしてきてよ」
「ああ」
そう言って一旦別れる私達、少ししてから落ち合い学園を出て歩き出した。
隣りを歩く仙蔵くんを見ながら私は周りを気にしてしまう。
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