[携帯モード] [URL送信]
持て余す身体
● ● ● ● ●


「それは誰に向けた想いなのだろうな」

「っ!仙蔵くん…」


私は不意に声をかけられ驚きそれに振り返ると本人がいた。
彼方は涼しげに微笑んで私を見る、その眼差しに惹かれ怖さを覚える。


「サボりとは名前を入れてねも案外やるな、優等生かと思っていたが」

そう言って軽い嘲笑を作る彼方、私はズキリと痛む胸を悟られまいとする。

「…そう?私は優等生じゃないから、仙蔵くんは判るでしょ?淫乱な私を」

「それもそうだな」


クスリ、また彼方は笑う…それに魅入るのに何処かで虚しさを感じてしまう。
私も作り笑いを浮かべた、彼方に嫌われたくないから。


「用があったのだか良いか?」

「珍しいね、何?」

「ふん。学園長から文を預かっているのだ、これを知人に渡してくれとな」


そう言って彼方はその文を私に見せてまた懐に戻した。



.


[前へ][次へ]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!