持て余す身体 私はくのたまの六年生、私には想い人がいる。 けれどそれは誰もが同じで、私もまた遊びで構わない。 同学年の忍たまの六年生…作法委員長である立花仙蔵の事を本気で愛している。 ……彼方はモテる。 軽い愛を好み、一人の女に執着する質ではなくて。 私は取巻きの中の一人に過ぎない、身体を預けて僅かの悦楽に浸るだけ。 虚しいのに抜出せない 私は泥沼に嵌って、 もう抜出せない…… 「枯れ葉散る、紅葉に想いただ、空を彷徨う」 私は何となく仙蔵くんに対する想いを綴った、紅葉が落ちるのを見ては自分の叶わない恋に嘆いた。 授業を受ける気分ではなくて抜出していた、誰もいないこの時が気が楽だ。 ――はらり、ひらり そっと風が吹いて葉を散らす、優しいのにそれは冷たくて彼方に似ていた。 . [前へ][次へ] |