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「彼女だろう?」
彼方は私の問いにそうしれっと言った、私は彼方の彼女でもその中の一人でしかない。
「何よ何よなに…よッ!!!沢山いるくせに!私はもうそれだけじゃ満足出来ないのよっ」
そう言いきって私は哭してしまう、溢れ出す涙と欲望に歯止めは利かなくてこんな私を彼方は嫌う筈。
彼方なしではいられない身体にしたのは彼方、私は貪欲に彼方を欲す。
「……私を独占したいのか?」
「そうよ…こんな私は迷惑だと思っているんでしょ?!」
「いや、なら私を今独占すれば良い」
「ッ!そういう意味じゃないわよ!!!もう知らない…私に触れないでっ!」
――パシンッ、
仙蔵くんが私に触れようとしたから私は咄嗟にその手を撥ね除けてしまう。
苦しい、お願いだから私を惑わさないで今彼方に触れたら私はどうにかなりそうだから。
理性を失うから……
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