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 ひとまずグレートフォックスに迎え入れられた私たちは、フォックスに出迎えられた。ウルフがファルコに用件があることを告げると、フォックスはどうやらやんちゃな部下がこちらに襲撃をかましてきたことは知っていたようで、恭しく頭を下げた。
「うちのファルコが…ほんとにごめん」
「かまわねえ、撃たれたのはパンサーだけだ」
「パッ…パンサー、ごめん、大丈夫!?」
「うん、まあ…うん」
 狙撃されたことを構わないといわれたことがショックだったのか、パンサーの口数は少なかった。フォックスはそれを不機嫌と受け取り、重ねて深々と謝罪した後、我々を会議室に通した。ファルコを呼んで来るから待っていてと、足早にその場を去る。

 ウルフは不安ながらも、どこかどきどきわくわくしていたように見受けられる。対してパンサーはげっそりしており、私はと言えば別にどうでもよかった。
 阿呆を極めた大胆発言を聞いた当初こそ浮き足立っては居たが、冷静に考えてみればスターウルフが壊滅したところで我が身が無事であればどうとでもなるのだ。落ち着きを取り戻した今となっては、とりあえず早くこんな馬鹿げた遠征を終わらせて、一人欠けようが二人欠けようがどうでもいいので、コロニーに帰ってコーヒーの一杯でも呑みたいところである。

「…ウルフ」
 パンサーの呼びかけに、ウルフはなんだ、と見遣った。
「…なんていうの」
「そんなん言えるわけねえだろ。照れくせえ」
「いや、場合によっては俺死ぬからさ、もしもまずかったら添削しようかと思って」
「なんでお前が死ぬんだよ」
 心の底から首を傾げるウルフに、パンサーは彼がリバースドールの意味を知らないことに気付き、「もういいよ」と言った。

 その時丁度、会議室の扉が開かれる。
 あの時、スターウルフのコロニーを襲撃したときよりは落ち着いた、けれど未だ憮然たる表情で立つファルコの姿がそこにあった。



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