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小説
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(とてとて、とてとて。)
(遠いのか、近いのか。)


(黙々と歩いていくと)


あ、アリス。
初めましてか?
それとも久しぶり?


(わお。驚いた)
(そこにいたのは、黒髪に黒いカーディガン、Gパンと随分ラフな格好の人)


ちなみに、おれは、___というんだ。


(あれ、名前が聞き取れなかったような)
(そうだ、それよりも)


ん? 自分は、『アリス』ではない?
可笑しなことを言うなぁ。

(あはは、と)
(楽しそうに、笑う)


君の名前は、アリスだろ。
…少なからず、今は。


(奇妙な、感覚)
(無理やり、だけどなんとなく納得してしまうような)


さてさてアリス。
君はしなければならないことがあるだろう?


ゲームを始めよう。


(ゲーム?)
(一体全体、どういう事なのか)


ルールは、シンプル。
この世界の終わりを見つけることさ。


(終わりを見つける…?)


そう、終わり。
この、“不思議の国”のね。


(わからない事が増えるばかり)
(頭が可笑しくなりそうだ)

まぁ、精々頑張るといい。これが終わらなければ君は日常には戻れないのだから。


(最後になんかすごいこと言われた気が――!?)


では。


いってらっしゃい。


(そう言って指を、ぱちん。)
(目の前にはドアが。)


あきゅろす。
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