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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
え〜すな日常/あどべんちゃーSeason2 第4巻経過報告:03(サンプルあり)(2019/9/29)



古鉄≪というわけで、え〜すな日常/あどべんちゃーS2の第四巻が販売開始です。
今回はいろいろ盛りだくさんだったので、前巻と違って本編八話、本編のカットシーンが……短編クラスですが二話分となっています≫


(どうしてもここまではやっておきたかった)


恭文「八神の僕にとっても、そして大輔達にとってもまたまた試練のとき。
なぜなら……そう、奴が出てくるから」

古鉄≪やっぱりエボルト的に動きます≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


『ほんと……でも、よく覚えていたわね』

『その男、ヒトゲノム解析の専門チームにいるんですよ。そこのチームは業界内だと有名なので』

『ヒトゲノム……あぁ、それなら』

「ひとげ……あの、ヒトデの仲間かな」


そんなことを言うフェイトちゃんには、ハリセンで一撃−!


「きゃふ!?」

「ヒトゲノムや! 簡潔に言うと人間の遺伝子! ヒトゲノム解析は、地球やと国家規模で進んでいるプロジェクトや!」

「国家規模ぉ!?」

『その解析は超絶難易度でね。……人の染色体には約三十億という膨大な塩基対があり、その解析を進めるのがヒトゲノム解析でありヒトゲノム計画。
日本では一九八八年度から科学技術庁が、一九九一年から文部省がヒトゲノム関連のプロジェクトをスタートさせているんだ』


そこでヒトゲノム計画の……検索してえられる程度の画像データが、幾つも出てくる。

まぁあれよ。普通にビーカーとか試験管を持って、いろいろ調べている様子やな。


『更に各国の取り組みを調整するため、一九八八年に国際的非営利研究者団体・ヒトゲノム解析機構も発足。
お姉ちゃんが言うように国家規模……というより、民間企業も活発に参入している”国際的”大プロジェクトだよ』

「国の垣根はないって感じなんだね……でも、どうしてそこまで」

『例えばHGSのような遺伝子異常による疾患……遺伝子が関与する病気の原因解明・診断・治療法の開発。
オーダーメイド医療と呼ばれる先鋭技術の確立と同時に、人が人たり得る根源を把握する計画だからだよ』


恭文の言う通り。その先駆者となる意味は、もう……それこそ金塊を掘り当てるもんじゃない。

そういう俗物的な表現が憚られるほど、意味のあることやった。


『だからこの及川悠紀夫ってやつ、相当優秀だよ。そんな最先端の研究に関わっていたんだから』


◆◆◆◆◆


「……浩樹」


大体の後片付けを終えた上で、ただ一つ……絶対に手放せないものを取り、優しく撫でる。

アルバムの中に詰まった、浩樹との写真だ。


「お前は、怒るかな。お前の子どもを……伊織君を巻き込み、否定することを」


知っているよ。お前の子どもが敵だと……選ばれてしまったと。

だが、それでも止まれない。止まることはできない。


……お前には、本当に……心から申し訳ないと思っているのにだ。


「だが俺は、この三年間……いや、火田のクソジジイに否定されてから、生きながらも死んでいく日々を過ごしてきた。
俺とお前が描いた夢は、誰にも理解されない。ただ笑われ、踏みつけられるだけだった。
だがそれは間違いだと証明された。お前がいなくなった後……あの空に映った世界がその証拠だ」


だから何度も、何度も謝りながら……更に怒りを滾らせる。


「だが、その世界すら……今お前を、俺を裏切っている……!」


夢を持ったまま……大人になっても、みんなのようにあざ笑うこともせず、いつかと……いつかと生きていた俺達を裏切った。

あの世界はお前の子どもを、あの日の俺達を奴隷のように搾取する。

そうして洗脳された子どももまた、別の子どもから搾取する側に回る。先代選ばれし子ども達がそうだ。


石田ヤマトは、武之内空は、八神太一はそれを示した。そのパートナーデジモンも示し続けた。

三年前、奴隷となった自分達を肯定するために……守るために。


(ただそれだけのために、浩樹の子どもにまで暴力を振るい、それを当然とした……クズ共が……!)


その連鎖を止めるためには、一つしかない。


◆◆◆◆◆


”だがどういうことだよ……確か、家は逆方向だったよな”

”逃走経路を入り組ませることで、アリバイ作りですか?”

”西村京太郎サスペンスじゃないんだけどねぇ、これ……というか会社も休みの時点で”


――――ホームに軽快な音楽が流れ、電車が音を立てて近づく。


かたことかたこと……胸が高鳴る音だ。旅の始まりって感じでもあるしねー。

もちろん普通の……日常で乗る電車だから、そこまで沸き立つ人もそういない。

大抵は仕事帰りとか、途中の乗り継ぎとかで、やや疲れた様子もあった。違うのは子どもとか、家族連れくらいか。


……ただ、奴の様子はこの中でも異様だった。

何も感じていない……期待感も、疲れも、何も……明らかに悪目立ちしていた。

その正体が何だろうと思いながらも、携帯を弄って…………猛烈に嫌な予感が走る。


「………………」


奴は僕を……こちらを見てもいない僕を見て、にやりと笑ったから。


(気づかれた……!?)


いや、気づいていた……くそ、さっきのあれが見られていたか!

こうなったら腹を括って、被害を出さないようドンパチ……そう覚悟を決めた瞬間。


”……マズいですよ”


アルトから念話が届く。


”奴は、爆弾を持っています!”


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「はい……そんなわけでとんでもない大ポカで、また世界は揺らぐわけで……」


(ガンダムWでノベンタ元帥を撃墜した以上のレベル)


恭文「やっぱりTwitterでも作者が軽く言っていたけど、この時期を考えると……テロ的な話が多くなってしまう」

古鉄≪そんなわけで、名もなきみなさんが命だったものとして転がっていきます≫


(これは、正当なる復讐か……)


恭文「それを否定するのが僕達だけど……さて」

古鉄≪もう、隠れて正義のヒーローはできない状況になりましたね≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「一時間前、アメリカ領事館を通し、日本政府へ通達があった」

≪通達ですか≫

「まずIS学園やIS研究機関にいる、アメリカ政府所属の代表候補生や政府スタッフの安否確認……その返答要請。
更に今回起きた未曾有のテロに対しての、捜査協力を申し出てきた。自国研究機関で使用しているISの無償貸与も……期限付きではあるがな」

≪他の国は……≫

「中国、ロシア、フランス……どこも似たようなものだ。
報道には出ていないが、お前が言うムゲンドラモン……及川悠紀夫の宣戦布告も、既に向こうには伝わっている」

「耳の早いことで……んぐ、このトマトは美味しい」


どうやらトマトとたまごの炒め物は気に入ってくれたらしい。それは自信作だったので、つい頬が緩む。


「噂されているエシュロンやフレンシュロンによる通信傍受(シギント)システムによるもの……というわけでもない。
あの一件で無事だった市民が、カメラなどで撮影していたんだよ。それがネットにアップされた」

『だが、デジモンは電子機器を狂わせるはずだ。だから三年前のことも、映像などは残っていないと……』

「キメラモン、例外があるよ」

『例外?』

「あぁ……そのときも鮮明に写っていたようだよ。これを見てくれ」


八神の向こうに座り、パソコンを立ち上げ……アップされた映像を見てもらう。


◆◆◆◆◆


「みんな、済まなかった。もう……やっぱり今日のところは解散するか」

「太一!」

「その必要はないわよ。このままコイツらをフルボッコにして、魚の餌にするから」

「だから解散したいんだが……え、駄目なのか? やっぱ許されない感じか?」

「凛さん、お手伝いします。……大丈夫、僕は一人でなめろうとアジフライ、南蛮漬け、つみれ汁、アジご飯というアジ尽くしを作った経験があります」


あ、小文君がなんだか凄い。私も同じことをしたけど大変…………って、そうじゃない!


「それは頼れるわね。なお、私は中華全般が大得意……鯛を捌いて春巻きにしたこともあるわ」

「おい、待て! 料理するってことか! 料理スキルで空達を料理するってことか! やめてくれよ! スプラッタだろ! ホラーだろ!」

「ふ……それならあたしだって! あたしは鯖の味噌煮を一人で作った経験があるわ! もちろん捌くところから経験済み!」

「オレだって、麺打ちとスープ、チャーシューを一人で作って、自家製ラーメンを仕上げたことがあるぜ!」

「僕もサマーキャンプで、カレーを作ったことがあります。少しはお役に立てるかと」

「大輔達も乗っかるなぁ! そんなの料理じゃない! ただの処刑だぁ!」


太一さんの言う通りだよ! そこに頼っちゃ駄目ぇ!

というかその刃物使用前提の経験を生かさないでぇ!


◆◆◆◆◆


「なぜだ……」


また、お台場小学校関連の情報が書き込まれた。

それを消すと、また別所で……しかも情報がどんどん鋭利になっていく。


地域でこういうのを見たという情報だったのが、学校が絞られ、学年が絞られ、クラスが絞られ、個人名が……!


「なぜ、一般人が真実に近づきつつある。
我々は必要な手を打っている。これはあり得ない」

『こちらも同じだ。アメリカの方でも……くそ、どうして止まらない!』

『こちらはベトナム担当。駄目だ、子ども達の情報に近づいていく。選ばれし子ども達という敵を定めようと、人間達が迫ってくる』

『こちらロシア担当。止められない……一体どこから真実が漏れている!』

「止まってくれ……世界の人々よ」


また書き込まれた情報を素早く消しながら、嘆いていた。

人々が、世界が、我々を……共存の兆しを否定する、その愚かさを。


だから必死に、声を上げる。声を上げながら、必死に情報を削除していく。

そうすれば一人一人の心に、我々の……ホメオスタシスの願いが届くと信じて。


「君達が真実に到達することは、誰も求めていない。そのために多少の不便をかけることもある。
だが、それを超えれば輝かしい未来が待っているんだ。
デジモンと人間が共存し、等しくなれる未来が……だから頼む、止まってくれ」


我々は悪ではない。


「君達に真実は必要ない! 君達にそこへ近づく探究心は必要ない!
それは悪だ! それは世界を殺す毒だ! 君達人間が脱ぎ去らなければならない殻だ!」


◆◆◆◆◆


「……一つ質問、よろしいでしょうか!」


だがそこで、果敢に手を上げた記者の一人……彼は大物になるだろう。


『どうぞ』

「失礼ですが、この情報はどちらから……それに、どうやって証明を!」

『まず情報については、政府機関にも予め相談し、連携。その上で検証したものになります。
なので今回お出ししたものと、私の話は全て……日本政府の正式発表とお考えください。
そのために今回、首相にもお忙しい中来ていただいております』

『えぇ……それについては、風間会長の仰られた通りです』


本来であれば、かなり異例だがな。だが今回の事件、首相としてもビシッと話を纏める必要があるので……来てもらったんだよ。わりと強引に。

……もちろん、その対価も相応に支払っている。


『次に、どこでどう情報を掴み、政府を納得させるだけの証拠を手に入れられたか……その点についてお答えさせていただきます』

「お願いします!」

『……ではここからは、当人に答えていただきましょう』

「……当人?」

「失礼します」


そうして入ってきたのは、黒コート姿の八神と……羽根やらアンテナやらがついている恐竜型デジモン。

更にはクンビラモンとマクラモンも続き、会場中が彼らにフラッシュを浴びせかける。


そして……彼は報道陣に臆することなく一礼。

その上でマイクを借りて、声を上げる。


『みなさん、初めまして。第二種忍者の八神恭文と言います。
現在は小学六年生ですが、PSAの方からは数年お世話になっています。
そしてこちらが、僕のパートナーデジモンで』

『あーあー……ヒメラモン、だ』

「パートナーデジモン……忍者ぁ!? あの、これは……では、そのネズミや猿は!」

「クンはクンビラモン。デーヴァ……あー、デジタルワールドの、神様の小間使いみたいな組織の生き残りでチュ」

「私はその生き残りの仲間で、マクラモンだ。ここからは私達が話を引き継ぐ」

『まず結論から申し上げます。僕は選ばれし子ども達の一人で、ヒメラモンはそのパートナーデジモンです』


……そこで、ざわつきは歓声のように響き、うなりを上げる。

どういう形であれ、八神が王として……小さき王として、自分の世界を動かした瞬間だった。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


フェイト「………………どういうことなのぉ!? え、選ばれし子ども達ってバラしちゃったら……駄目なんじゃ!」

恭文「そのリスクを飲み込む状況になったのよ……」


(そう、わりと最悪……どうやっていんふぃにっとに繋ぐのか)


恭文「最悪Fate/Zeroみたいに『こんな感じで戦ってましたよー』って話にするしか……」

フェイト「それは駄目ぇ!」

古鉄≪似た感じなんですね、分かります≫

(どうなるA's・Remixの未来! それはさておき、とまと同人版を何とぞよろしくお願いします。
本日のED:高垣楓(CV:早見沙織)『雪の華』)




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