[携帯モード] [URL送信]

作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
え〜すな日常/あどべんちゃーSeason2 第2巻経過報告:01(サンプルあり)(2019/7/18)
[TOMATO] とある魔導師と閃光の女神のえ〜すな日常/あどべんちゃーSeason2 第2巻『究極のウェポン』




古鉄≪というわけで、あどべんちゃーSeason2第二巻が明日(2019/07/19)販売開始。みなさん、何とぞよろしくお願いします≫


(よろしくお願いします。
今回は本編七話。
書き下ろし二話。
番外編一話となっています)


恭文「実は次巻収録予定の六十三話と番外編一話も書いていたから、時間がかかった罠……」

古鉄≪相変わらず調整が下手ですねぇ。まぁそれはともかく、今回は選ばれし子ども達組にとっても試練の巻。
もちろん八神のマスターにとっても、キメラモンにとっても、ある重大な事実が突きつけられます≫

恭文「まぁある意味確認や回想回も含めた感じだけどね。それでも五〇話以上はやってきたから、一応おさらい的に。
……なお冒頭開始は、前回書き下ろしの続きからとなっておりますのであしからずです」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


病室を訪れ、ボロボロの奴を見下ろす。


肌は青白くやせこけ、全身至る所に包帯。

呼吸器と点滴のチューブに繋がれ、奴は……真っ青な顔で僕を見る。


「お前は三十日以内に死ぬ」

『な…………に…………』

「おいヤスフミ!」

「人類を裏切り、ガブモンを暗黒進化させ、派手に暴れてくれた報いだ」


ショウタロスが止めようとするけど、問題ないと押しのける。


「でも落ち込むことはない。
お前が死ぬことで、先代選ばれし子ども達の誰もに刻まれる。
――自分達の冒険が、三年前の戦いが、デジタルワールドの存在そのものが間違いだったと」

『駄目、だ……。オレは……オレ達は、まだ……まだ……』

「そしてデジタルワールドも管理局が制圧し、全てのデジモンはその管理下に置く」

『やめろ……それじゃあ、侵略じゃ……』

「お前達選ばれし子ども達、そしてホメオシスタスやゲンナイ達という真なる侵略者を駆逐するためだ。致し方ない」


哀れだと思った。

コイツは何も知らず、知ろうとせず、あんなことをしでかした。

だったら、せめて死ぬ前くらいは全てを知らしめるべきだろう。


……自分が、どれほど愚かしい存在か。


◆◆◆◆◆


「まぁまぁ……とは、言えないかぁ」

「というか、言われたら溜まったもんじゃない。……やっぱ、ナノマシンが消失しているのが……!」


なんとかできるかと思って、いろいろ調整したけど…………もう駄目! ほんとどうにもならなくて、テーブルに突っ伏すしかなかった。


「魔力バッテリーだけじゃ、本来の出力の五割も出せない!
当然ザッパーの使用にも制限がかかるし……おのれが馬鹿をやってくれなきゃ、こんな苦労せずに済んだってのにさぁ!」

「あの、ごめん……ごめん……あたし、はやてさんやクロノさんにお願いする!
そのナノマシンってのがあればいいんだよね! だったら」

「僕に回す余裕がないから、こんないらない苦労をしてんだよ!
状況も分かってないなら黙ってろ! この一本グソが!」

「一本グソ!?」

「八神君、落ち着いて……日奈森さんも本気で反省しているし」

「今さらすぎてへそが茶を沸かすわ!」


今さら泣きそうな顔をされても困るっつーの! くそ……ほんとに油断してた! もう絶対コイツには心を許さない!


「でも恭文、らしくもないよー。ないならある札でなんとかーって感じだよねー」

「そうでちよ。まぁあむを庇うつもりはないでちけど……」

「全く足りない」


そう、足りない。

別に個人の闘争ならそれで何とかする。やってみせる気概はある。

だけど今回は、国家間レベルの戦争だからね……! 止めようとするのは、まともな方法じゃあ無理だ。


それに戦力も……ああもう、頭が痛いー!


◆◆◆◆◆


「戦争を手っ取り早く終わらせる方法って、何か分かる?」

「……あぁ、そういう話か」

「……考えて然るべき選択肢ですね」


唯世と海里も察してくれて、僕が感じているものに表情が曇った。


「唯世くん」

「大量破壊・殺戮兵器だよ」

「は……!?」

「戦争……人と人との闘争を、手っ取り早く、倫理観も無視で終わらせる。
それは相手よりも強大で、敵勢力を戦闘員・非戦闘員問わず倒す兵器だ」

「馬鹿じゃん!? そんなの撃ったら、また戦いとかに」

「だからキングも言ったでしょう? そうならないよう”殺し尽くす”と」

『――!』


海里がそう告げると、あむやりま、やや達……ショウタロスの表情も完全に凍り付いた。

それでも、それでも必死に……真っ青になった唇を動かそうとするけど、うまく動かない。


「そ、そんなぁ……! そんな怖いこと、できません! しちゃ駄目ですぅ!」

「実に無意味な批判だ。人間は長い歴史の中で、そう言った手段を幾度も使っている……今この瞬間も」

「第二次世界大戦中、アメリカが日本に落とした二発の核。これが日本の降伏を導き出したのは、有名な話だしね」

「だが、デジモンだぞ!?
大量破壊・殺戮兵器って……アイツらにそんなもの、作れるのかよ!」

「分かんないよ。オファニモンクラスで力のあるデジモンがいるかもしれないし……というか忘れた? キメラモンは古代のオーパーツでもあるでしょ」

「ぁ……!」


そう、技術力はあるんだ。人間社会のデータが寄せ集まった世界でもあるから、それはある。

もしこのまま加速して、そんなものがぶっ放されたら……撃ち合うような状況になったら……!


「でもほら……そこはほら! 抑止力っていうのがあるんだよねー! 『撃てば撃たれる』という図式で!」

≪その点もやっぱり無意味ですよ。デジタルワールドがそこに至るまでの文明を発展させていない……というのを抜いても、既にやらかしています≫

「……オファニモンによる、サンタゲリア消滅ですね」

「お返しに撃っても、全然おかしくない……!?」

「というより、そのお返しが今の戦争状態ですから」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「そう……デジタルワールドには抑止力が働かない状況になった。
オファニモンがやらかし、ホメオスタシス達がそれを認めてしまったことで」

古鉄≪本当にもうどうなるか分からない状況。これはデジモンカイザーの暗殺しかありませんって≫


(『スネークイタァァァァァァァァァァ!』)


古鉄≪はいはい、春閣下さんはうたってないで仕事してください≫


(『それが仕事だよ!?』)


古鉄≪まぁこちらは一話のダイジェストなんですが、もうちょっと見ていただきましょう≫

恭文「卯月の現状とかもあるしね」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


卯月さんに元気をもらって、家に帰り……日課となっていたとある実験を開始。

タマモに結界を張ってもらい、キメラモンを外に出して、あれやこれやと試した結果……。


「うん……うん……」


”キメラモン”は両手をにぎにぎして、サムズアップしてくる。


「違和感なしだ……!」

「よっし!」


キメラモンの元気そうな様子に、全力ガッツポーズ。フェイトじゃないけどこれはやってしまう。


≪大分安定しましたね……というか、時間がかかりましたよ≫

「それも仕方ないとは思うがな。なにせプラスではなくマイナスの作業だ」


だから……胸元の≪闇の紋章≫を手に入れてからも、しばらくはできなかった。

それでも紋章を手に入れたのなら……紋章が退化を示すのならと、イメトレも繰り返した結果がコレだよ!


「でも、上手くいくものですねぇ。確かに面影はありますよ……この子」

「だね」


……今のキメラモンはキメラモンに非ず。

成長期となったその姿は、進化途中にも見える。


「キメラモン…………じゃなかったね」

「あぁ。今のオレは」


◆◆◆◆◆


――マンションの屋上……朝一番に出て、意識を集中。

左手に持ったおねだりCDを見て、幾度も念ずる。


僕が断ち切るのは、CDそのものじゃない。CDにかけられた戒め。

奴らが当然とした、可能性の殺戮。その枷を断ち切る。

僕はこんな未来には、何一つ納得できない。なんだったら三条ゆかりも、イースターも、皆殺しにしたいレベルで憎い。


でもその前に……このたまご達だ。

この子達を救えなかったら……”これしかない未来”を、”これもある”に変えられなかったら、そっちの方が悔しい。


助けたい。

きっとこのCDに閉じ込められたたまごも、たくさんの夢と笑顔に繋がっていた。

花咲くかどうかなんて分からない。だけど、花咲く可能性はそこにあるから。


……だから、意識を……魔力を、紋章から引き出した力を腰のアルトに纏わせ、研ぎ澄ます。

薄く鋭い、闇の鉄輝を打ち上げ……左手で軽く、CDをケースごと真上に放り投げる。


「――闇牙(あんが)」


そして乱回転しながら落ちてくるCD目がけて、右薙の抜き打ち。


「一閃――!」


◆◆◆◆◆


街にたむろしていたのは、胴体ずんぐりむっくりで銅色のデジモン。

スチームパンク的なマフラーやボディデザインが印象的な≪ガードロモン≫。成熟期のロボット型デジモンらしい。


そのガードロモン相手の都市戦となり、私達は都市中央のダークタワーを目指す……はずだったんだけどー!


「――はぁぁぁぁぁぁ!」


フェイトさんがバルディッシュを振るい、魔力刃で右薙・左薙と切り抜け。

一度の剣閃で三体ほどを切り裂き、胴体部のバルプハンドルに付けられたイービルリングを破壊。


「ロケットファイア!」


更にフレイドラモンも炎に包まれて体当たり――。


「ロゼッタストーン!」

「シューティングスター!」


ネフェルティモンはなぜか墓石を射出し、ペガスモンは翼から流星雨を放つ。

それがまた十体……二十体とガードロモンを撃ち抜き、停止させるけど……!


「師匠、これ以上は!」


数が半端なかった。

いつぞやみたいに、百二百……三百という数で襲ってきた。

しかもガードロモンは完全停止状態のため、この間みたいに味方へ引き込むこともできない。


「……無理だね! 撤退! 全員、撤退するよー!」


手に赤いハンドタオルを取って、グルグルと回して撤退の合図。

……とりあえず百三十くらいは停止させたし、街の地形や状況も理解した。

余り極端な形で罠も張ってなかったから、危惧していた危険もない……ここは無理せず。


「何言ってんだよ! アンドロモンがいるんだぞ!」


ち……ここでやっぱり足を引っ張るのは、先代様か!


「アグモン!」

「うん! ――ベビーフレイム!」


アグモンが口から炎の砲弾を放ち、イービルリングを狙って攻撃。

でも……直撃しても、リングもガードロモンも変わらず……こちらに眼光を放ち、地面を切り裂くだけだった。


「やっぱり駄目かもー!」

「くそ……進化さえできれば!」

「泣き言はやめてもらえます!? 分かってて飛び込んだくせに!」

「――シャーリー、私達は大丈夫!」


そしてフェイトさんもー! 指示ガン無視ってどういうことですか!


「大事な友達を助けたいって気持ちは、絶対に間違っていない! だったら、全力で通さないと!」


◆◆◆◆◆


「今のところドンパチは始まっていないね。静かなものだ」

「ならヒカリちゃん達も身を隠して、ガードロモンが厳戒態勢って感じか」

「……アルト」

≪バルディッシュから通信はきません。
ただ、こっちから呼びかけるのはやめた方がよさそうですね。
向こうの索敵網に引っかかる可能性があります≫

「でもステルスで出入りも難しい……つまるところ」

≪えぇ≫


もうお決まりなので、笑ってサイファーをセットアップ。

二丁拳銃≪ガンモード≫を両手で一回転させて、腰裏のホルスターに収めておく。


「パーティーってことだね」

≪楽しくなりますねー≫

「デーヴァって奴らも出てくると嬉しいわね。
完全体相手の戦闘、練習したいし」

「え……正気なの? 全部潰すつもりなの?」

「でもでも、凄い数だったんだよー!?」

「馬鹿ねー。私と八神くん相手に、百や二百程度でどうにかなるとでも?」


凛がくすりと笑い、拳をバキバキと鳴らす。

こっちもやる気満々……もう魔術回路が隆起しているもの。


「あなた達は横やりが入ってきたら……進化でサポートしてくれればいいから」

「……分かった」

「大輔、いいのか?」

「温存は必要ってことだ。だが……街は壊すなよ、お前ら……!」

「……大輔、形あるものはいつか壊れるんだよ」

「そうよ、本宮くん。それが明日か、明後日か……はたまた百年後か、次の瞬間か。違いなんてそれくらいなのよ」

「「こらぁ!」」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


杏奈「……大変そう……杏奈も、頑張らないと……」


(Vivid_rabbit、どこからともなくとたとた……ぎゅー)


恭文「杏奈……ん、よしよし」

杏奈「ん……杏奈、やっぱりこうしてると……駄目になる……」

リイン「むむむむむ……! ならリインもですー!」

ラルトス「おとーさん……」

アブソル「私達も……ぎゅー」

サラ・マルル「温かい……」

ヒナタ「うんうん! ハグはね……人の心や鼓動が伝わって、とーってもすてきなんだー」

恭文「待て。最後待て……つーかおのれはまたきたんかい!」


(というわけで、とまと同人版を何とぞよろしくお願いします。
本日のED:サイキックラバー『タギルチカラ』)





[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!