作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と彼女の鮮烈な日常TS第4巻 経過報告:02(サンプルあり)(2017/4/18)
古鉄≪というわけで、経過報告……もういっちょ本編枠です。今回は密度も濃いめなので≫
恭文「おかしい。戦闘シーンとか、さほど手直しした感じではないのに」
(第七ピリオドの方は追加シーンも多めですが)
恭文「その原因は……346プロ動乱編、既にスタートしつつある状況だけど」
古鉄≪卯月さん達には楽しんでもらいましょう。場合によっては鉄華団的なエンドですが≫
(そしてアニメみたいな道を辿っても、間違いなくバッド直行……うーん、ベリーハード)
古鉄≪果たして346プロのマクギリス・ファリドと、ラスタル・エリオンは誰になるのか。それに期待しつつ、本編の紹介です≫
恭文「カウントダーウン!」
フェイト「それは違うよね! というか期待するのも間違ってるー!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
346プロに漂い始める暗雲。それでも……まずは確かめた気持ちを元に、みんなと一緒に頑張っていく。
それは私達の手に負えるものではなくて。いずれ来る咎(とが)を恐れながらも、それに負けない心を打ち上げるように、私達は踊る。
少しずつ纏(まと)まってきた全体曲。それは……本当にギリギリのタイミングで、完成を迎えて。
「――すばらしかったです」
しっかりと纏(まと)まった私達の歌とダンス。それを見て、プロデューサーさんが静かに頷(うなず)いてくれる。
それで破顔するみんなと手を取り合う中、プロデューサーさんは一つの提案。
「今回のライブに向けた試みの一つとして、ユニットリーダーを決めたいと思います」
「ユニットの、リーダー」
「はい」
「なら……一人しかいないよね! みなみんリーダー!」
「はい!」
バラバラだった私達を纏(まと)めてくれたのは、やっぱり美波さんで。だから笑顔で美波さんを見る。
「……私!?」
「あの、私も……美波さんがいいって、思います」
「智絵里が賛成するなら、杏は反対ー」
「杏ちゃん!?」
「まぁ賛成しなくても、ちょーっと付け加えてほしいところがあるけど」
「双葉さん、それは」
「サブを二人ほど決めるべきだ」
そう言いながら杏ちゃんは、右人差し指と中指をピンと立てる。
「万が一の備え。これで”新田リーダーの指示がないと”で動けなくなったら馬鹿らしいじゃん」
「確かに……では、一人目は双葉さんで」
「え……!」
あぁ、杏ちゃんはやっぱり……言い出しっぺでもあるし、断り切れずオロオロしています。その様子を苦笑しながら見守っていると。
「それに島村さん、お願いできますか」
「はい!」
……元気よく返事したところで気づく。それがとんでもない早計だったと。
◆◆◆◆◆
美城常務……敦実の評価は著しく落ちるばかり。しかも各部門の部長達も765プロに同調したまま。
手出しはしないと言った。敦実にもひたすらに謝り倒せと言った。だがそれは、通用すると踏んだからだ。
私も親として、会長として頭を下げた。それならばと……なのに……!
「会長、やはり各部門の部長達は……」
「これだけ話しても無駄か……一体どういうことだ!」
その状況にいら立ち、ついデスクを強めに叩(たた)いてしまう。
「もしや、”あの件”を察知しているのでは」
「そんなことはあり得ん! 証拠は全て消去したはずだ!」
「ですが蒼凪プロデューサーは第一種忍者でもありますし、現場でも常務を”人殺し”と」
「それは、常務の対応を批難したものだったろう!」
そうは言うも否定できなかった。そもそも……どうしてあんな人間がプロデューサーをやっている!
歴史的テロ事件を幾度も解決して、日本(にほん)の危機を救ってきた英雄が! しかもその能力に嘘偽りはなかった!
敦実とは真逆で、社内での人気が高まっているくらいだ! その煽(あお)りでこちらの評価も最悪だがな……!
なお、敦実や部長が捜査の素人だから……というのは理由にならない。それなら捜査に口出ししたのは……いや、そ
れ以前の問題か。
蒼凪プロデューサー気楽家有楽師匠の家を訪れた際、敦実達の前である可能性を提示している。
気楽家雅楽も含めた『知人達』が犯人と思わせる、ミスリードの可能性もあると。
つまりあの時点で彼や有楽師匠達が疑わしいとしながらも、他の可能性を模索する姿勢を示したんだ。
それゆえに自殺と断定はできないし、慎重な検証が必要だとも説明した。……ここまで言えば分かるだろう。
敦実と今西部長達はそれすらも無視し、捜査に圧力をかけた。いや、混乱を招こうとした。
そのために自社アイドルと社員を同調圧力の道具に貶(おとし)めた……そういう状況になってしまったんだ!
◆◆◆◆◆
「346プロ、どうするの?」
「これ以上どうしようもありませんよ。今西部長達がアレなので、長山専務達にも警告は飛ばしましたし。
……それに事がここまで面倒になっているのは、結局のところこれが”後継者問題”だからです」
「そうだったね。私もママからいろいろ受け継いだ身としては、耳が痛いなぁ」
≪今回の件だけでもきっちりペナルティーを施せば、まだ纏(まと)まったのに……アホな奴らですよ≫
「とはいえ、さすがにおかしいとも思うけど」
するとフィアッセさんは、可愛(かわい)らしく小首を傾(かし)げる。
「どういうこと……聞くまでもないか。346プロの風潮と切り捨てるのは簡単だけど、今までの実績がある。それにこの状況だと常務さんだけじゃなくて」
「現会長の判断と資質も疑問視されていますから。しかも現会長が美城を受け継いで殻、それなりの時間が経過している」
「恭文くんはどう思っているのかな。……何か引っかかってるんだよね」
「今西部長はやり合ったとき、こう言っていました……僕が美城常務を人殺しと指摘したときです」
あのとき僕は、苦楽さんの状況を度外視した有様を指摘した。僕がいろんな可能性を提示したにも拘(かか)わらずだよ。
……でも、それに対して今西部長はこう言ったんだ。
――だが、話を聞いてくれ! 違うんだ……”あれ”は――
――違わないでしょ。コイツは苦楽さんを”二度”殺したんだ――
――……苦楽さん? どういうことかね――
「あれ? 苦楽さん……どういうことかね?」
フィアッセさんも怪訝な顔をする。そう、それくらい分かりやすいヒントだったんだよ、”あれ”は。
簡単に言えば、今西部長は勘違いをしていた。もちろん美城常務当人もだ。
僕が”あれ”について知っていると……だからこそあれだけ強行的姿勢を示したとも考えられる。
「もしかすると他部署の部長が納得しないの、”あれ”のせいかもしれませんね。みんな今西部長レベルのベテランですし」
≪つまり今回のミスは繰り返しであり、一度目はそのフォローが成功したわけです。美城の権力を徹底活用することで、相手を追い込み――≫
そのやり口は今回僕達がやられかけたのと同じで、だからこそ……フィアッセさんも不快感で顔を歪(ゆが)める。
「調子に乗っていたってことかな。常務だけでなくて、会長も」
「その綻びで凡ミスを繰り返しているなら――とんでもないことになりますよ」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「美城常務及び会長に対する疑惑……そこに迫りつつ、僕達は第七ピリオドを迎えるわけで」
古鉄≪それを765プロが爆発させて、346プロを乗っ取るわけですね。……第三部完!≫
恭文「乗っ取っても僕達じゃ制御できないよ!?」
(とまとの765プロは、そこまで大事務所にならない様子)
恭文「小回りが利かないし、描写も大変だしねー。……さて、第七ピリオドだよ!
HP版では作者もカテドラルの扱いに慣れてなくて、あんな感じだったけど」
古鉄≪こっちではより暴れる形となりました≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「あのやろ……なんで分かったんだ!」
『当たり前でしょうが』
更に恭文さんの呆(あき)れた声が響く。
『すぐ戦略が読まれる、アホな装備編成にするんだから』
「――!」
そうか、今までのバトルで……くそ、前提が崩れた!
チャージできたのは二十パーセント程度。向こうはシールドを手放さない限り、ビームによる射撃を仕掛けてこない。
いや、それでも……今更プランは変えられない! 現状、残っているのはスタービルドストライクとあの三機だけ!
タンクは明らかに武装も多いし、カテドラルも未知数! 共闘状態の二体を相手に、レースなんて無理だ!
それに。
「セイ!」
恭文さんは曲がるビームを連射。レイジもそれを読んで防御しようとするけど……全く当たらない!
的確にこちらの速度を殺すよう、けん制してくる! このまま機体が損傷するよりは……!
「構うな……ディスチャージ!」
「おう!」
ユニバースブースターと脚部コンデンサのクリアパーツが輝き、吸収した粒子エネルギーを放出。
『あはははは、待てー』
「いぃ!?」
しかけたところで、カテドラルが加速して追いついてくる。
「楽しげに追いかけてくるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
『先行したら後悔するよ?』
その途端カテドラルのボディが翻る。放たれるピンクのビームを見て、レイジは咄嗟(とっさ)にアブソーブシールドを構えた。
結果その光条に……ビームサーベルの刃に貫かれ、シールドは破損。派手に爆発する。
吹き飛んだサーベル基部も、その黒いボディを踊らせながらUターン。カテドラルは難なくそれをキャッチし、リアスカートに収納。
アブソーブシールドの対象外……固定化された粒子刃での攻撃! しかも、このデッドヒート中に!?
『潰すしかないから』
「極端でしょ! レイジ……全開! 全開でぇ!」
「分かってるよ!」
アブソーブシールドがなくなったことで、粒子吸収そのものが封じられた。だからカテドラルは容赦なく連続砲撃。
それにヒヤヒヤしながらもビルドストライクは、その眼前で黄色い粒子のエンブレムを描く。
凝縮した粒子の扉、そこを突き抜け、その力を全身に纏(まと)いながら錐揉(きりも)み回転。
背部に粒子の翼を、再出現したパワーゲートを背負い、その力を羽ばたかせながら飛ぶ。
◆◆◆◆◆
私達CPも、プロデューサーの配慮で観客室の一つを借りて観戦中。そうしたら……蒼凪プロデューサーが、やらかした。
「……美波」
「えぇ」
「予感、的中したね」
「えぇ……!」
マリオカートでもあんな派手な妨害、なかったようなー! というか容赦なさすぎ! セイ達に集中攻撃って! いや、先行阻止ではあるけど!
「ただセイ達の作戦もかなり稚拙だ。このピリオドの勝利が重要なのは周知の事実だし、普通はツツいてくるよ」
「え、稚拙なの? ディスチャージで先行逃げ切りって悪くない手だと思うけど」
仮にディスチャージが切れても、スタービルドストライクの性能が圧倒的なのは明白。
あのカテドラルも……蒼凪プロデューサーが作ったものっぽくないけど、リードがあれば。
「……って、違うかぁ」
さっきまでの状況から推測できるので、ついおでこを叩(たた)いてしまう。
「それを読ませるような戦い方なのが、大問題ってところだね。SFSによるサポートもないし」
「それ。はっきり言えばセイ達は間抜けだよ。相手の攻撃を受けること前提の作戦なんてあり得ない」
「アンズ、どうしてですか? ビーム吸収するの、凄(すご)い機能。間抜けじゃないと思います」
「吸収させなければいいでしょ」
身も蓋もない言葉に、アーニャが言いよどむ。
「現にレナート兄弟や蒼凪プロデューサーはそうしていたしね」
「というか、相手選手の機体が実弾兵器中心だったらどうしていたの?
戦国アストレイやモンスターズレッドみたいに、射撃とかをしない機体だったら」
「それは……でも、セイとレイジ、頑張ってます」
「頑張っていない。たとえば杏なら……第三ピリオドのライトニングストライカーみたいな、自力での粒子補充装備を持ち込む」
しかもセイ達には選択肢もあったと提示。杏は試合に注目しながら、楽しげに右人差し指を立てる。
「その上でなら相手の攻撃なんて『不確定要素』に依存せず、瞬間的にディスチャージが使えるでしょ」
「あ……」
「じゃあそれをしなかったセイ君達って……」
「だから間抜けだし、頑張っていないって言ってるんだよ」
◆◆◆◆◆
「よし……できた! レイジ、このラインから外れる形で進んで!」
再計算したルートを表示し、レイジのサブウィンドウに展開。
「分かった!」
途中にある池をホバリングで跳び越え、スラロームを越え、最終カーブ……!
レイジはラインを避けるけど、それでも爆発と散弾は続く。
でも、さっきみたいな直撃コースすれすれじゃない。どうやら通過判定のラインを、かなり広く取っているみたい。
これならまだいける。問題は最短コースのラインを、強引に取られていること。
このままだと間違いなく、距離を詰められること。いや、まだだ。
三週目……あの池をもう一度越えたところで、もう一度ディスチャージすれば!
≪The song today is ”RUNNING SHOT(SHOTGUN MIX) ”≫
――そう思いかけたところで、右側からエネルギー反応。
「……!」
レイジは咄嗟(とっさ)に急停止し、ボディを翻しながら十時方向に跳躍。そうしてコースを横断する、巨大なイオンビームを何とか飛び越えた。
「バスターライフル!? 誰が」
考えるまでもなかった。レーダーに反応したのは……あの巨大なライフルを構える、カテドラルガンダムで。
「またてめぇか! ヤスフミィ!」
「くそ、しつこい!」
そんな悪態をついてしまったから、気づかなかった。
恭文さんの超長距離砲撃が”避けられる前提”のものだと。
その狙いは僕達に回避行動を取らせ、足を止めること?
いいや、違う。止まらないよう避けるくらいはできる。問題はその先だった。
「……レイジ!」
回避したはずの”コース”に戻っていると気づいた瞬間、僕達は再び爆発と散弾の雨に晒(さら)される――。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「HP版より強烈に、そして残酷な形で突きつけられる”世界の壁”――もちろん大健闘ではあるんだけど」
フェイト「というかヤスフミもHP版より手出ししまくり!? いいのかな、これ!」
恭文「カテドラルに助けられています」
古鉄≪あなたも頑張らないと駄目ですね≫
(蒼い古き鉄、まだまだカテドラルを使いこなせていないようです)
恭文「そんなわけで、追加シーンもちょこちょこ入ったスピードレーシングをお楽しみにー」
古鉄≪なお、スピードレーシングの後はちょっとしたサプライズも待っております。そちらもお楽しみに≫
(どうだろう……いっそ346プロ動乱編は、ガンプラバトルで決着を付けるのは。え、駄目?
本日のED:UVERworld『儚くも永久のカナシ』)
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