作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と閃光の女神のえ〜すな日常/いんふぃにっとII 第3巻経過報告:02(サンプルあり)(2017/2/19)
恭文「というわけで、ここからは書き下ろしの方を……今回は中編二話に普通の一話」
あむ「普通ってなに!?」
恭文「中編の一つ『ワンタンメン・ワンダー』は途中までですが、とまとパイロット版の方に上げております。もしよろしければごらんください」
(その時点でやることがないような)
恭文「いいや、ある! それだけでは出し切れなかったところもあるし!」
あむ「でもワンタンメン……確かに、お店で見かけた覚えが……」
恭文「なんだよねぇ。紀文の肉ワンタンとかは好きなんだけど」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「ど、どういうことですか! ワンタンに具がないって!」
「ワンタンのひらひらを天女の羽衣に例えることがありますけど、このタイプは言うなら……純羽衣型ワンタン。
これはエースコックのワンタンメンに限られた仕様じゃあありません」
「他にもあると!? た、炭水化物に炭水化物ですよ!?」
「即席ならエースコックの他に、岩手(いわて)のメーカー『小山製麺』などから堂々たる具なしワンタン『北国っ子 ワンタン』が出ています」
「……そう、だな」
あ、やっぱり織斑先生は覚えがあるんだ。
左手で軽くアゴを撫(な)でながら、鋭く視線を跳ね上げる。
「改めて言われると『ん?』とも思うが、昔から具なしワンタンメンを出す店はたまにあった。
……具ぎっしりタイプももちろんいいが、これはこれでトゥルンとした食感が美味(うま)いんだ」
「今でも老舗のラーメン屋を中心に、都内も含めてたまーに出くわします。
地域的に言えば福島(ふくしま)の『白河(しらかわ)ラーメン』系店舗でも割と」
≪……本当だ。でもどうして……ワンタンって、具を包んだ『料理』じゃないの!?≫
動揺しきりの真耶さん達とベルトちゃんには、残酷な現実を突きつけるように首振り。
◆◆◆◆◆
「今まで話したのは、外食やワンタンメン自体の魅力ですけど……盤石なインスタント・チルド系は触れていませんし」
「そう言えば長期政権と言ってましたけど、そんなに」
「盤石と思えるほどには。……現在の即席ワンタン界における定番アイテムは、エースコック派とマルちゃん派の二大勢力があります」
そう言いながら八神がお手上げポーズ……いや、両手で二大勢力を示す。
「大阪(おおさか)のエースコックが一九六三年、超ロングセラーのワンタンメンを打ちだし、ジャンルを切り開きました」
「さっき言っていた、具のないワンタンメンですね」
「更に二千年代に入ってから、カップスープの大ヒット作『スープはるさめ ワンタン』を世に出しました」
「あ、それは食べたことがあります! ……春雨系のヌードル、お夜食には便利なんですよねぇ。カロリーも控えめですし」
「太平燕のブームもありましたしね」
「えぇ!」
山田先生は分かってくれて嬉(うれ)しいと言わんばかりに破顔。
◆◆◆◆◆
「問題は求められるままに自らのアイデンティティをふやかし続けた、ワンタン自身のルーズさ。
先ほど最適化の話をしましたけど、そこには生き残る上での”答え”があり、それを定めた結果とも言えます」
「逆にワンタンは答えを定めず、選択肢だけを増やし、アイデンティティすら揺るがせていると」
「しかもこれ」
そろそろ、二番目に重要なところへ触れよう……そう思いながらも、静かに着席。
「具ありワンタンに限っても言えるんですよ」
「はぁ!?」
「おい待て、さすがに納得できんぞ」
「じゃあ織斑先生、ワンタンの包み方……その形状、定番と言えるものはなんですか」
「そんなのは」
決まっている……そう言いかけた織斑先生は停止。冷や汗をダラダラ流しながら、沈黙してしまった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
あむ「……そう考えると不思議だよね。お店で出しているところは少なくなりつつあるけど、チルドやインスタントは盤石って」
恭文「ワンタンメンの行き着く先はどこか。そしてワンタンメンが究極的に駄目なところは何か。
その果てに何があるのか――なお元ネタはめしばな刑事タチバナです」
(なおこの話をやった次の巻……八十年代の食べ物トークが最高に楽しいです)
恭文「僕達、レトロを目指しているしね」
あむ「そんなの初めて聞いたんだけど……!」
恭文「それで次が……お待たせしました。ぐだぐだ本能寺、いよいよ終盤」
あむ「終盤なの!? まだクー・フーリンさんとか、メディアさんとの対決があるじゃん!」
恭文「その辺りも含めて終盤!」
あむ「終盤なんだ!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
お風呂、お風呂……とても有り難いことです。やはりレディとしてはいろいろ気になりますし。
「やっぱりヤスフミは、仕事が丁寧ですね」
「ルーラー?」
「お風呂自体にも結界が張ってあります。察するに……キャスター」
「はいー。女の大敵『覗(のぞ)き』はもちろん、魔術攻撃にも対応したパーペキな結界です。これで女のシークレットは完全防備!」
「あぁ、そういう……」
脱衣所でみんな揃(そろ)って、衣服を脱ぎながら感嘆とする。恭文さん、そういうところからも気づかってくれていたのですね。
というかタマモも……それに感謝していると、鈴さんの視線が厳しい。
ルーラーの胸元をじーっと見て……その勢いに、彼女が身を引いた。
「あ、あの……なんでしょう」
「……これが教官をたぶらかしたオパーイ」
「はい!?」
「御主人様、やっぱり大きい上に奇麗なのが好きなんですよねぇ。私もいっぱい責められますし」
いっぱい……その言葉で、つい顔を真っ赤にしてしまう。
そ、それはつまり、あのたゆんたゆん揺れる美しい胸に……いえ、仕方ありません。
恭文さんとタマモが、そういう関係なのは察していましたし。それほど深く繋(つな)がってもいますし。
でも、でも……あぁ、駄目です! わたくしには代表候補生として、果たすべき使命が!
◆◆◆◆◆
前回のあらすじ――いざ行かん、桃源郷へ。
そう思っていた時期が、オレ達にもありました。
「お、王様……あの、オレの姉がいるので、気持ち的に止めたいと言いますか」
「なら貴様は姉以外を見ればいいだろ」
「それもアウトじゃね!?」
「何を言うか。……興味があるのだろう? だからなんのかんの言いながらも、足が動き続ける」
「ぐ……!」
それを言われると、弱い。いや、確かに……オレも男だし!? あぁ、ぶっちゃけようか!
「あぁ……そうだよ……興味満載だよ! すっげー興味あるよ!」
「そうだろそうだろ!」
「つーか……学園にいるといろいろ溜(た)まるんだよ! こう、ウェイクアップがさ!?」
「それも当然だ! あのように見目麗しい少女達に囲まれれば、男としては侵略<ハーレム構築>を望むものよ!」
「何か不穏なルビを振られた気がするけど、まぁそういうことだ!」
そんなことを考えるオレは、既にこのぐだぐだ空間に侵略されていたのだろうか。
まぁいいや。何となく……この先のオチは、分かってるし。
◆◆◆◆◆
でも桜セイバー……着やせするだけで、大きい。たゆんとした胸が浮いて、桜餅みたいになってる。
「あぁ、しかしいい湯です」
心地よさそうに吐息を吐くジャンヌ……お湯に、ぷかぷか浮いてる。
その形、柔らかさは正しくマシュマロ。そこに教官の理想が詰まっていた。
「心が洗われるよう……騎士王、感謝します」
「い、いえ……準備を整えたのは、ヤスフミやキャスターです……し……」
そして浮かないセイバー。心なしか表情は引きつっている……あたしと同じように。
「でも織斑先生、やっぱりスタイルいいですよね」
そう言いながら佐田先輩が前のめり。千冬さんの張られた胸に注目……!
そのとき、先輩の胸も寄せられてアピール。うわぁ……あんな深い谷間、全くできない。
「えぇ、本当に……羨ましい限りです」
「……山田先生に言われると、殺意が沸くな」
「えぇ、本当に」
「だ、だって私はその、いろいろアンバランスではと気にしてましてー!」
山田先生も同じく。もちもちしているのが見ているだけで伝わって、女性のあたしから見てもそそられる。
というか、アンバランス? いや、確かに爆乳だけど、スタイルが崩れているほどじゃない。
小柄な体とのバランスをギリギリのラインで保つ、成熟した女の美しさを醸し出していた。
それを見て、自分の胸を撫(な)でて……セイバーと牛若丸、更にアーチャーも乗っかり。
「「「「くっ」」」」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
あむ「鈴さん、それはすっごい分かる……あたしも、フェイトさんやギンガさん、ティアナさんと一緒にお風呂とか入ると……アンタはぁ!」
恭文「なんでおのれが切れるの!?」
あむ「うっさいうっさいうっさい!」
(現・魔法少女、いろいろご機嫌斜め)
あむ「ねぇ、まさか今回の話はこれだけとか」
恭文「さすがにないってー。ちゃんとバトルシーンもあるよー」
あむ「話は進むんだね! よかったー!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「それで、これが……」
「タマモさんから軽く聞いたけど、よくできたね!」
織斑先生が、シャルロットが目を丸くするのも無理はない。
今僕達の前に並ぶのは、大型の馬車三台なのだから。
「恭文さん、一応聞きますが、これは」
「長距離移動用に馬車を作ってみましたー」
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』
≪えっへん!≫
そう、荷馬車を三台ほど作ってみた。なお設計製造は……僕とヒメラモン達!
なのでみんな揃(そろ)って一回転して、みんなにVサイン。
「またよくできているな。どうやったんだ」
「近くの木を何本かもらって、物質変換でパーツに作り替えました。耐久性は折り紙付きです」
「それで、この……なんだ、針金の集合体みたいなものは」
「織斑先生、何を言ってるんですか。これは馬です」
するとなぜか跳んできた出席簿……それをマトリックス回避!
「何するんですか!」
「寝ぼけているようなのでな。目を覚まそうとした……もう避けるなよ」
「馬に見えないと!」
「恭文くん、よーく目を凝らしてみて? どっからどう見ても」
「馬にしか見えないのに!」
「馬そのものだよなぁ」
「ヒメラモンもかー!」
おかしい、みんなが僕達の成果を見ても、全く納得していない。いい造形だと思うんだけどなぁ。
◆◆◆◆◆
≪作りは華やかだけど、人の気配が全くない……いつものことだけど≫
「完全に、ゴーストタウンですよね」
すっかり旅慣れした山田先生も、辺りを警戒して怯(おび)えるそぶり。
「さて……こうなると、余と桜セイバーはまたまたお休みか」
「えぇ、そうしてください。前線は私と織斑先生、ヤスフミで」
そう言いながらセイバーも一歩前に出て、エクスカリバーを抜刀。
「ヤスフミ」
「当然気づいてるよ。この……気配だけで、へき易とするほど傲慢な感じは」
「傲慢? おい、八神!」
「みんなは下がってて。牛若丸も警戒、お願い」
「分かりました」
そうして少しずつ……慎重に進んでいく。人気のない都を歩きながら、なぜか咲き乱れる桜の間を進む。
すると、そこには――。
「ふはははははは! 遅い! 待ちかねたぞ征服王!」
上半身裸で、酒をあおっていた金ぴかがいました。その様子に、僕と王様、タマモがため息。
◆◆◆◆◆
「出てこい、贋作者<フェイカー>! 貴様の真似(まね)というのは分かっている!」
「……フェイカー? 金ぴか、それって」
「やれやれ……英雄王だけならまだしも、こうも英霊が揃(そろ)っているか」
それは赤い外套(がいとう)を纏(まと)った、長身の男。
褐色肌と白髪が印象的で、髪を後ろへ流していた。
精悍(せいかん)な顔つきを見せつけながら、ニヒルな笑みを浮かべる。
「さすがに分が悪いな」
「おいおい金ぴか、お前の友達か?」
「しつこい猟犬その一だ。聖杯など好きにしろと言っているのに、延々噛(か)みついてくる」
その一ってことは……そこでもう一度、空間接続を発動。
金ぴかへ飛び込んできた、灰色の外套(がいとう)男を吸収反射。
突き出されたナイフごと、地面に叩(たた)きつけてやる。
フードを被ったまま、奴は身を翻し後ずさる。
金ぴかが放った矢弾を回避し……違う。
置き去りにしている……とんでもない超加速で、次元の違う速さで置き去りにしている!
そのまま金ぴかを、取り出したキャリコM950で狙い撃つ。
その姿が、その動きが、よく知っている人と被っていて――。
◆◆◆◆◆
両手を開き、干将・莫耶を生成。すると男は小さく目を開き。
「ほう……だが」
同じように両手を開き、火花を走らせながら翻す。それより早く飛び込み、両刃(りょうば)での逆袈裟一閃。
「――!」
≪なの!?≫
≪まさか、これは≫
しかしそれは、”干将・莫耶”によって取り出された。
僕と全く同じ……いや、より高度な投影によって、作り出された刃。
むしろ僕の干将・莫耶は、その刃が欠けてしまう。
それに驚きながらも後ずさると、奴は回転斬り。それだけで僕の刃は両断され、胸元と腕が浅く切られる。
「恭文くん!」
「大丈夫!」
潤乃の悲鳴には答えながら、宙返りして着地。
「骨子の精製が随分と甘い。俺と同じ……いや、違うな。
だとしたら余計に驚異的だ。想像力のみで、ここまでのものを打ち上げるとは」
「贋作者<フェイカー>って、そういう意味か……」
僕と同じ投影使いの英霊。しかもその精度は、当然ながら僕よりずっと上……!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「この話で一番やりたかったネタ……なおゲームでは金ぴかとドンパチしてましたが、さすがにアレだと変更を」
あむ「そっか、こっちだと受肉してたっけ……でも、厄介なのが二人!」
恭文「こっちの戦力も整っているけど、さぁどうしたものか……もちろんこの続きは本編で!」
あむ「でも恭文、これだと最後のあれは」
恭文「タコ殴りでよくない?」
あむ「駄目じゃん!」
(というわけでいんふぃにっとII第3巻、明日(2017/02/20)販売開始です。皆様、なにとぞよろしくお願いします。
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