小説
月一の地獄
苦しい。
ベッドの上で毛布に包まりながらもんどりを打つ。
うつ伏せになったり横を向いたり屈みこんで見たりとにかく思いつく限りの体制をとる。
しかし一向に痛みが引く様子がない。
月に一度の、アレ。
このときほど女に生まれたことを悔やむときはない。
痛い。とにかく痛い。それはもう安らぎという時間がないほどに痛くて苦しい。いつまでこれは続くのか。

「元就、大丈夫か?」
玄関が勢い良く開かれたかと思うとずかずかと大きな足音が近づく。
あまり大きな音は立てないで欲しいと思うも今は言葉を発することさえ億劫だ。
痛み止めを買いに行った元親が帰ってきたのだ。
こちらの様子を見て出かける前と変わらぬ状況であると判断したらしい元親は台所へ向かった。


「ほら、飲めるか」
水とともに差し出された薬。動くのも億劫だがこれを飲まねばこのまま痛みが続いてしまう。
ゆっくりと身体を刺激しないように起き上がり薬とコップを手に取る。
薬を喉に流し込む水はあまり冷えておらず、身体を冷やさないようにとの配慮が見えてほんのり胸が温かくなった。
空になったコップを元親が手に取りテーブルに置くと、今度はカイロを渡された。
「腹温めとけよ」
毛布を掛けなおされ宥めるように頬に口付けられた。
ああ、本当にこの男は。
しばし痛みを忘れてじんとしていたが、忘れるなと主張するかのように再度激しい痛みが腹を襲った。
「うっ…いた…」
堪らずベッドにうずくまると背中をゆっくりと撫でさする感触がした。渡されたカイロを腹にあて身体を休める。
元親の手が背を上下する感触に安堵しながらようやく訪れた眠気に身をゆだねた。



END



初っ端から生理ねたとかすみません。
激しいのがくると本気でつらい…。

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あきゅろす。
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