小説
起きろ!
朝目覚めたら手早く身支度して朝食を作る。そこまで終わったら一度玄関を出てアパートの隣の部屋に向かう。合鍵で鍵を開けると、お隣さん宅へ足を踏み入れ、窓際のベッドで未だ惰眠を貪る姿を見つけたら勢いよく覆い被さる。
「元就、起きろ!」
「っ…なっ!?」
驚いてベッドの上の人物が飛び起きた。寝起きの乱れた姿もとろんとした表情も愛らしい美少女。俺の幼馴染兼恋人の元就だ。

「起きたか、元就」
「…ちか」
小さく俺を確認するように呼ぶと、再びベッドに倒れこんだ。
「こらこらこら」
二度寝に入る元就をベッドから引きはがすとうーと抗議の声が上がった。
「われは…眠い…」
「その気持ちは良くわかる。でも朝だからな、学校だからな」
「……休む」
ベッドに戻ろうとじたばたと暴れる元就を羽交い絞めにして食い止める。全くこのお姫様は。
「ほら起きろって。朝飯できてるぞ」
「…我は寝るのだ」
だんだん目は覚めてきているはずなのに、まだ抵抗する。こうなったら仕方ない。「だったら起き上がれなくしてやろうか」
細い身体を抱いたまま声を低くして囁いてやると、途端に腕の中の身体が固まった。そしてぎこちなくこちらに顔だけ向ける。
「どうせ休むんだったら良いよな。昨日もおあずけだったし。朝からってのも燃えるなぁ」
「ち…か?」
小ぶりな胸を手に掴んで軽く揉んでやると元就は顔を真っ赤にして先ほどよりも激しく暴れだした。
惜しいとは思うが本気でするつもりもなかったので羽交い絞めにしていた身体を開放してやると、一目散に逃げ出した。
「あ、朝から何をしようとしているのだ!」
「お前が起きないからだろ。ほらさっさと支度しろって。本当に襲うぞ」
「馬鹿者!」
元就の投げてきたぬいぐるみを避けて玄関へ向かう。
「早く来いよ」
「さっさと出て行け!」
起こしてやったのになんていい草だ。いつものことだが。

これが、俺と元就のいつもの朝の光景。


END



多分このサイトの中心になるはずの学パロ。
アパートの隣同士で一人暮らし。
面倒見の良い元親と面倒見られることに慣れてる元就。

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あきゅろす。
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