小説
優しくない♪
元親は優しいと皆が言うが違うと思う。
確かに面倒見は良いし世話も焼いてくれるしいろいろ甘やかしてくれるが、それは決して無条件で行われるものではない。
ちゃんと、それ相応の見返りを要求してくるのだ。
だから優しいとは思わない。



ソファに座る元親の膝にもたれ掛かり沸き起こる感覚に耐える。
「ぅ…ふ、う…」
声を上げてなるものかと歯を食いしばる自分の頭を元親の手がゆっくりと撫でる。反対の手は背中をさすり傍目には具合を悪くした自分を元親が介抱しているようにも見えるかもしれない。
けれど実際はこの状態を作り上げたのは元親本人だ。


元親は結構変態だと思う。
所謂性行為というものを、人がいるかもしれない場所でやりたがったり普段と違うシチュエーションを望んだりいろんな体位を試したがったり、玩具を用いたり…。
自分の中に埋められた玩具を思い出し身体が熱くなった。
白っぽい色の小さなものだった。嫌だと言ったのに聞いてくれなくて散々刺激してきた挙句に挿れられてしまった。それが内部で振動して絶えず刺激を伝えてくる。


「大丈夫か、元就」
しゃあしゃあと聞いてくる男に、抗議と腹立ちを含めて足を抓ってやった。
「いてて、抓るなよ」
抓っていた手をとられ指を舐められた。
「悪い手だな、お仕置き」
「ひっい…!」
割と強く指を噛まれて痛みに声を上げてしまった。
「ち、かぁ…」
ひどい。
こんな仕打ちをするなんて、ひどい。
止められなくなった涙が頬を伝う。
「泣くなって。止めてやるから、な」
その言葉と同時に内で蠢いていたものが動きを止めた。


刺激は止んでも一度箍が外れたものはそう簡単に止まない。
涙は溢れ続けているし、身体は物足りなさに疼いてしまう。
思い通りにならない自分の身体への苛立ちとそれを引き起こした元親への恨みばかりが募る。
「ひど…ひどい、ちかの馬鹿…」
「悪かったって。そんな辛かったか」
軽々と自分を抱き上げ膝に座らせてしまった。こういうとき、男女の違いというものを感じる。
「でもな、元就が可愛いからするんだぞ。あんな良い顔されたらもっともっと見たいって思っちまうじゃないか」
「知らぬ…!」
なんだその理由は、理由なのか?
「可愛いから苛めるは立派な理由だぞ」
こつりと額と額をあわせて元親は笑った。その顔が近づいて口付けられた。
宥めるように優しく啄ばまれる。


口付けの心地よさにうっとりしている間にまた元親の手が下肢に伸びていた。
未だローターが埋まったままの場所に手が侵入し、内を侵していたそれを一気に引っ張り出した。
「ひあぁっ!」
油断していたところへの強い刺激に身体が飛び跳ねた。
「今ので達しちゃったか」
楽しそうな元親の声が耳元で聞こえる。
ひどい、ひどい、意地悪!
「ばかぁ…ひどっ…」
「ごめんごめん。元就が可愛いからだぞ」
「ばか、ばか…!」
「ん、ごめん。機嫌直して。今いいものやるから」
身体を僅かに持ち上げられ下肢に熱いものが触れる。
止める間もなく身体が落とされずぶずぶと元親のものが侵入してきた。
「い、やぁ…ああぁっ!」
先ほどよりもずっと大きくて熱いものが身体を犯す。
がしがしと揺さぶられ元親にしがみ付いて悲鳴を上げることしか出来なかった。

「熱くないか?」
声を出すのも億劫で頷くことで応えを返した。元親はそれで十分なようで、お湯で濡らしたタオルで身体を清め続ける。
拭い終わったら寝間着を着付けられ布団に寝かしつけられた。
「風呂は朝入ろうな。朝一で準備しといてやるから。お休み」
「う…ん」
温かい布団の中で抱きしめられあやされるままに目を閉じる。
まどろみの中、やはり元親が優しくなんてないと思った。
だって元親がいろいろしてくれるのは、自分の機嫌を取って次もまたいろいろするためなのだから。
それに絆されてまたいろいろされる自分もどうかとは思うけれど…。
ともかく絶対、元親は優しくはない。


END



学パロの2人はお互いが大好きです。
それ以外に言いようがないような感じです。

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あきゅろす。
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