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小説
桜吹雪ってか嵐のよう。《1日目》



あー、面倒くせェ。

蛇腹コーポレーションだかなんだかのお嬢さんがもうすぐ来るとか言って俺たちは何故か迎えに駆り出された。
向こうさんが勝手に来るんだからほっとけば良いのに近藤さん1人じゃなくてわざわざ俺達も呼び出すとはとっつぁんもかなり力入れてるらしい。


近藤さんの隣に土方このヤロー、そして隣に俺。横に並ばれるのマジうぜぇ、死ね土方。

「あー、真選組が女を待ってぼーっと突っ立ってるなんて世も末だぜい。暇すぎて眠くならァ。眠気覚ましに爆発しろ土方ァ」
「オィ、きこえてんぞ」
「わざとでさァ」
「よーし、叩き斬ってやるからそこ座れ」
「冷たいから嫌でさ、地面に頭擦り付けて喜ぶの土方さん位ですぜ」
「誰が喜ぶんだ!誰がァ!マジ斬り殺してやる!このクソガキャァア!」

土方このヤローと必死に止めるザキ(どっからでてきたか不明)を横目に早く帰りてぇな、と呟いた。マジ暇、無駄に早く呼ぶんじゃねぇよ。

「総悟暇なのか」
「近藤さん、あちらさんちょいと遅くねーですかィ?」
「まぁ遅刻厳禁だって言うからちょっと早く来すぎたか。恐らくもうすぐ来るぞ」
VIP専用ターミナル(そんなもんあったのか)の指定された場所でかれこれ二十分は待っているのにまだかかるのか。

「近藤さん、そのマムシ野郎のお嬢さんって奴はどんな顔なんですかィ?」
「マムシじゃなくて、真無《まむ》氏、な。
さぁなー全然公の場でも姿見せないらしいし、顔写真すら手に入らねぇんだよなー」

「この時代に写真もないなんてよっほどの箱入り娘か、世の中に見せれる顔じゃないって、ことですかね」

蛇顏っつーか蛇そのものだったりして、と
以前あったゴリラそのものの近藤さんの見合い相手を思い出す。

だらだらとその後も暇潰しに土方このヤローにバズーカーを向けたりしているとやっとそれらしき宇宙船がやってきた。

おせーよ、と真っ白な宇宙船に舌打ちしつつ
待っていれば、着陸し扉が開いたかと思うと赤い絨毯を転がしやがった。
それってレッドカーペットって奴かと思っているとぞろぞろと同じ格好をした女どもがでてきて小さな花弁を撒いたりしながらレッドカーペットの隣を歩く。
皆んなその辺では見ないような別嬪ばかりのその行列に

おいおい花魁道中にでも遭遇したのか、俺はいま吉原にでもいるのか?
とも思ったがそれは近藤さんや土方も一緒らしく江戸で見慣れた着物っていうよりはどこぞのクソガキが来ている国の召使いのような裾がひらひらした格好の連中を呆然と見ている。

一番前に気の強そうな女に花弁を巻く女達、その後ろにこの道中に唯一の男と、その後ろにむかっ傘を翳す女。
顔は見えないが大方その黒髪の男と傘を翳す女の間にいるのが件のお嬢さんってところだろう。

「真選組の方でしょうか」

ド派手な演出と共に近藤さんの前に立った一番先頭の女がしっかりとした声で問いかけてくる。
どうやらこの女は女中頭といったところか。
自分の仕事に誇りを持ってますって顔してらぁ。

「蛇腹さくら様のお迎えご苦労様でございます」

静かに礼をする動作にも流れるようだ。

「警護を仰せつかって参りました。この近藤を筆頭に真選組一同必ずお守り致します。」

近藤さんが俺たちを紹介していくので、軽く挨拶しつつグダクダ長ったらしい上っ面の会話がしばらく続きまた眠気が戻ってきて欠伸を噛み殺しているのがばれたのか土方が睨んでくるが無視する。

この場さえ切り抜けばどうせ近藤さんと土方が警護するのだから俺には関係ないしまた巡回にでも行こうかねぇ。

花魁道中の傘を見たらチャイナを思い出したのでまた喧嘩でも吹っかけようかと思っていると

「沖田さんと申しましたね」

いきなり話しかけられて見れば先ほどの女中頭(多分)

「そうですが、何か」
「さくら様の事宜しく御願い致します」
「ハィ?」

俺が傘見ている合間にそんな会話されていたのかと驚けば、総悟にですか?と問いかける声に誰もそんな話になってなかった事が分かる。

「わたくしがお願いしたのです」

凛とした声が響いてそちらを見ればいつの間にか花弁撒き散らしていた女共が端に行き、
黒髪に黒と青のオッドアイの隣から声は発せられたようだ。

薄い白と桃色に彩られたふわふわした天女のような格好に身を包んだ長い艶めいた黒髪に同じ色の大きな瞳。優雅な仕草に、微笑み。

写真がでまわってないのは箱入り娘の方だったらしい、そよ姫のような可愛らしい感じではなく美人系だが清楚という文字がぴったりな高貴なオーラバリバリのお嬢さんがそこにいた。
どうやら断れる空気でもなくお嬢様の警護が強制的に俺に決まったらしい。

………面倒くせェ。




***

オリキャラ登場。
ちゃんと沖神になるのかコレ…。
次あたりで神楽ちゃんでまーす。、

2015.3.14


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あきゅろす。
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