小説
わたしの聖域 沖神?
沖神+銀
沖田不在。銀と神の不思議な話。
サドと付き合う事になったよ。
と珍しく昼間に帰ってきた万事屋でぽつりと呟いた言葉にあ、あぁそうと言葉を返す。
まあ、色気より食い気でその食い気も半端ではないガキだったのは数年前で、食い気は変わらないが密かに気にしてたらしいぺたんこの胸にも無事に膨らみへこむとこはへこんですっかり女の体になったのに全然浮いた話がなかったのを安堵半分心配半分で見守っていたところへのこの台詞。
相手はずーっと派手な喧嘩をしつつもいざって時には共闘できるような関係だった真選組の一番隊隊長。
神楽と同じく破壊魔だし、俺と一緒にどSコンビと呼ばれたりしてる(あれ、神楽ちゃんもしかしてあれやこれや調教されるの?そんな事になったら銀さんは泣くぞ)
沖田そういちろうくん。
「サドも優しいところあるヨ」
「あー付き合ったらいきなり惚気かよー銀さん爆発しちゃう。」
「でも本当アル」
まー、わかるっちゃーわかるけど。
てっきり俺は、
「多串君と付き合うかと思ってたよ、俺は」
真選組の副長にして、俺とは犬猿の仲。
会えば血管きれそうな位に怒鳴りあいになるようか関係だったが神楽には優しかった。
こいつもこいつで毒舌だから
マヨラーとかニコチンコとか暴言吐いてたりしてたけど偶に奢ってもらったと嬉しそうに酢昆布持ってきたり、半ばカツアゲな感じで飯食わせてもらったりしてたのを知ってる。
銀ちゃんはマダオだから、と偶にあいつに纏わり付いていたのも、多串君が口では離せとかぎゃあぎやあ言いながらも決して振り払ったりしなかったのも。
「トッシーは」
「まぁ、付き合ったらロリ方だもんなー、
なあ、かぐ…」
はは、と笑いかけて止まる。
何故か真昼間の煩いこの街がしんと静まり返ってここが闇に閉ざされたように思える。
それ程までに冷えた感覚。
「トッシーはだめアル」
にこりと笑う神楽の顔は、いつもと違って。
俺の知ってるガキの顔でも、
恐らくそういちろうくん。が見るであろう女になってく顔でもきっとない。
「トッシーは私と付き合わないし
きっと誰とも付き合わない。
万が一誰かと付き合っても
いつもと変わらない、
私もトッシーとの関係は変わらないアル。
ニコチン臭い空気に触れるのも、
私を口で言うほどいやがらないのも。
たとえ、沖田と結婚しても
どちらかが死んでも変わらないヨ」
まるで詩を読むかのように軽やかにとんでもないことばを口にする。
「……お前、多串君が好きなのか?」
「何言ってるネ、銀ちゃん。
私は沖田と付き合ったアル。沖田が好きネ」
好き、と言う神楽には僅かにだが確実に
女として沖田君を見ている表情だ。
嘘は言っていないだろう。
だが、愛されてる筈の彼よりも
何故トッシーと呼ぶ神楽の方に執着を感じるのか。
「銀ちゃんも好き、沖田も好きアル。銀ちゃんとは家族だし沖田は彼氏アル。
だけど、トッシーは違うネ。
私には侵せない。」
神楽の表情は
「わたしの、聖域アル」
聖母のように穏やかだった。
***
神楽ちゃんには愛しいの種類が一杯あるよ、という話。
あー、この話土神、銀神版も書きたい。
しかしオチが一緒になるので保留…
2015.3.12
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