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小説
馬鹿な子はやはりバカ。上の土方版。
ちょっと馬鹿な子のが〜の土方版。
細かい説明は省くので沖田版を読んでから
のがオススメです。















あー、煙草マジで美味い。いやマヨが最高だけど。

真選組一番の問題児が壊した物の請求書の束とその他諸々の書類の山を処理しつつ、土方は束の間の休息を取る。

原因の半分である一番隊隊長は来いと言ったのに部屋に来ない。来てもバズーカー片手に来るので部屋の修繕が不要になるだけまだマシか…いや、おかしいよな、何で俺が総悟の破壊した物の処理してんの?

考えただけ無駄なので、先程ばさりと手元の書類を机に投げてはぁ、と溜息をついて
お気に入りの煙草の煙を吸い込めば。

「マヨラー!元気デスカー?このヤロー」
「最悪だァ!テメー等の所為でなァァ!」

請求書の残りの半分のチャイナ娘がスパーン!という襖を開けたでかい音と共に現れた。

***

「チャイナ娘、ここは女人禁制だ」
「かたいこと言うなヨ、マヨラー。マヨのように柔軟な心もつヨロシ」
「規則を堂々と破った上に偉そうにするな!あとかたいマヨなんざマヨじゃねぇ」

来て早々煙草臭いと文句を言われ付けたばかりの煙草を灰皿に押し付ける羽目になった上にマヨに対しての心からの主張もどうでも良いと言われてイラっとする。
この請求書の山の原因共は揃いも揃って何でこんなに反省の色がないのか。

「何しに来た、てかどっから入って来やがった」
「ふつーに玄関からコンニチワしたアル。ジミーにも挨拶したアルよ」
「チッ…山崎何やってやがる。」
真選組の屯所は女子供が気軽に入れる場所だと思われたらどうするんだ。
「なんかあわあわしてるアル」
「はぁ?」

揉め事でもあったのかと思うが何も連絡がないのでそう大した事でもないのかもしれない。
コイツもジミーに懐いてる(バカにしてんのが多分割合的に多いだろうが)から大方なぁなぁで通したんだろ、きっと。
まぁあとで殴るけどな。

「んで、なんか用か。破壊活動はやめろよ」
飯でも集りに来たのかどうか知らないがさっさと帰ってくれと思う。
部屋にいるだろう総悟と会った日には、もう屯所が壊滅状態になるのでこれ以上書類を増やされたら堪らない。

「ウン、やってほしいことがあるネ」
「なんだよ」

酢昆布か?飯でも奢れってか?

と思いつつ書類から目を離しジロリと神楽の方を向き胡座をかく。

「トッシー、抱いて?」
「ハァァァアア?!」

自分の声に障子の向こうで中庭にいたのか鳥が驚いて飛ぶ音が聞こえた。

え、何言ってんのコイツ。

「チャイナ娘、おま、何言って…!」
「お願いよ、トッシー!今月万事屋本当にピンチなのヨ!この仕事終わればお金入るアル!」

え、何これ援助と交際の絶妙なコラボですか?春を売ってしまう行為ですか?

「万事屋は知ってんのか」
「銀ちゃんは知らないアル」
「いや、お前それは、だめだろ…」

もしや、あの銀髪が身売りにでも出したのかと思い一応聞いたが違うようで安心した。

普段あれだけ過保護に目の前の少女を大切にしている万事屋に限ってそれはねぇか、と思い直す。

「そんな変な仕事も引き受けんのか万事屋は」
事によっては真剣にあの銀髪に言わなければいかないと普段から目つきが悪いと散々言われている目を更に吊り上げて、神楽に事情を聞けば。


***

「……アンケートだぁ?」
「そうアル!神楽様にしか出来ない任務だからって頼まれたアル」
ババーン!と胸を張って言うが果てしなく阿呆だコイツ。

「抱かれたい男を決めるアンケートだから実際にだっこされてからのがわかりやすいアル。ついでに好きなもの聞いて来いっていわれてるしナ!」
オマエ等の好物なんてわかりやすいから楽勝アル!!と自信満々に言うが問題点はそこではない。

「馬鹿馬鹿しい」
「何を!大事な金蔓ある!聞くだけでお金もらえるから楽ちんな仕事アル、オマエ等犬っころと違って仕事がねぇーんだヨ!」

その聞き方が問題ありまくりだ。
一歩間違えれば売春行為で逮捕されることに気づいてない所が恐ろしい。

「聞いて損した、帰れ」
「帰れないアル。まだ聞いてないアルよ!ねぇ抱っこ抱っこ抱っこしろトッシー!」
「うるせぇ!街でその辺の女共に聞いてとっとと終わらせろ」

ジタバタと完全に駄々っ子のように喚く神楽に、あーくだらねぇと思いつつ話は終わりだと少女に背中を向けて書類に目を向ける。
夜になれば怪しい奴等が湧き出るこの街でそんな事聞くのならまだ日の出てる時間帯なら大丈夫だと思う。
力はありえないほど強いがそれでも、外見だけはか弱い少女なのだ。夜は危険だということがイマイチ目の前の奴には伝わらない。


「嫌アル、言った事をやり遂げすにかえるのは未来のえいりあんはんたーの名に傷がつくアル」
「まだなってねぇから大丈夫だ」

神楽に背中を向けていて書類を見つつ返事をしているので神楽が立ち上がって近寄ってきていた事に気付いたなかった。

「オイ、チャイナ娘?」
聞こえてんのか、と振り向こうと思えば
たん、と小さな音とななめ上に影。

「ど、う、わっ!!」
「えへへ、着地成功ある」
「て、テメェ…」

がたん、と机が大きく鳴り、書類が床に散らばる。
ジャンプして土方に思いっきりダイブしてきたのを思わず受け止めれば、
向こうの思惑通り横抱きになる体制になり、衝撃で思いっきり背中を机に打ち付ける事になった。スゲェ痛い。

「お姫様だっこってやつアルか、臭いなマヨラー」
「オメーが飛び込んできたんだろうがッ!さっさとどけオラァ!」
「もー、うるさいアルなー」

え、なんなのこの子。
教育どうなってんだ、地球のお父さんよ。
ガキだと馬鹿にするな!と怒る割に何でここまでこの駄々っ子偉そうなの。

細っこい割には柔らけーな、ってしっかりしろ!俺!

一瞬よぎった感情にぶんぶんと首を振り思考を遠くに飛ばす。

「ニコチン臭いアル」
「じゃあどけよ」

少し大人しくしたら満足したのか暴言吐きつつ素直に降りる目の前のガキにため息をついて。

「おら、満足しただろ。とっとと帰れ」
「おー、マヨとニコチン臭いが取れねぇから後で酢昆布買うヨロシ。」
「どんな恐喝だよそれ」

またどんな問題発言がしかねない少女にわかったから帰れ!と叫べば喜んで出て行くのを見送るとお預けだった煙草に火をつける。

部屋からでていってもらう事を優先して
あの変な言い回しを止めるように言わなかった事を後悔したのは

数十分後にバズーカーと共に乗り込んできた総悟のいつもより殺気立った表情を見たときだった。


「死ねェ!土方ァ!」
「は、オメェこれ以上物壊すんじゃねーよ!」
「チャイナから臭ェ煙草の匂いがしたんでちょいとロリコンを退治しに来たんですぜェ、正義の味方でさァ」
「どこがだ!この破壊神がァ!!あと俺はロリコンじゃねぇええッ!!」




***

早速隊長以外の話を書いてしまった。
副長と神楽ちゃんのコンビ何気に好きです。いや神楽ちゃんは誰と居ても可愛い。


2015.3.7

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あきゅろす。
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