ご指名は?1.5 〈くくさん達の日常〉
暇になるとじゃんけん大会。
「じゃんけんぽん!!」
葉太郎くんがグーで、私がパー。
「よしっ!!やったぁぁ!フォオオアカァァァァァァァイッッ!!」
私はガッツポーズをした。ガンッ!とソファの肘付きに若干肘がやられた。
「ぐぬぬ..また負けたぜ..ッッ」
何事も全力な2人は、どちらも負けず嫌い。
葉太郎は顔を歪めるも、心底嬉しそうな鈴を見て、フッと大きな口で笑う。
「ッアー..」
やばい、小学生のようなノリで全力で喜んでしまった..。
くくさんがどっか去っていった後、私はあのまま結構寝てたようで、葉太郎くんがソファで寝てた私を起こしてくれた。
『..じゃーんけーん..』
寝ボケてたかよほど暇だったのかなんなのか、いきなり私は葉太郎くんにじゃんけんを申し出た。
あ..。
『ポンッッ!!』
私が慌てて手を引こうとした瞬間、じゃんけん、と言われた時ちょっと戸惑った葉太郎くんだったけど、笑顔で全力で応えてくれた。ギュン..!!
だけど、
(隼人も今いねぇし、スウはまだ寝てるみたいだから山田と2人きり..ッッ!!アレ?なんでこんなに喜んでんだ、ーー!?)
葉太郎くんは顔をぼんっ!と赤くして表情を歪めた。
「葉太郎くん、ご、ごめんね」
と私は軽く頭を下げる。理科子ちゃんにもハイテンションになり過ぎうるさっ!って言われるのに。
※理科子ちゃんも負けず嫌い
「エッち、違う!!これはだな、その..嬉し、イヤ!..ただ負けて悔しかったんだッッ!!」
と、さらに顔を赤くして葉太郎くんは私から目をそらす。
悔しがる葉太郎くんゲキマブ。なんかこっちまで顔が熱くなってしまった。
「ええっと、そうなんだ..えへへ」
と、私も頭をかいて下を向く。
え、えへへってなんだえへへってェェアアアイ!!貴様は少女漫画のかわゆい美少女かあ??アアン!!?否ッッッッ!!!
「いざッッ!!尋常に勝負ッッ!!」
と、変な空気になってしまったことを見越してか、顔がカーッとなりつつ葉太郎くんはじゃんけんをけしかけてくれた。
「ジャンケンぽんッッ!!」
じゃんけんに戻ると2人はまた真剣。
「ア゛ア゛負けたぁぁぁ!!」
葉太郎くんがグーで私がチョキ。
だが、楽しくなった葉太郎は、
「あっち向いてッッ!!」
その、世界一愉快そうな男の瞳を見て、女も口元が歪む。
「フォォォイッッ!!」
「とぅだだいマァァァァァッッッ!!!」
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