ご指名は?1.5 〈くくさん達の日常〉
ここで新キャラまた登場。
「おひさッッッ!!!このまえスィンブンにメェメェズ発明品がのてたよネッッッ!!!」
コーヒーを口にしていた、大学生とはちょっと思えないふわっふわのツインテールの少女ーー"メェメェ"は、コーヒーカップをかしゃん、と皿の上に置いた。
「あんなのはまだまだ...。それよりくく、このテーブル小さいんだからあまり身を乗り出さないでくれる?」
メェメェはクールで硬い表情のまま、ツンと言い放つ。クールだが、高方可愛らしい声。そして、またコーヒーをずず..と飲んだ。
ずっとにやにやしているくくはそれに答えず、メェメェの鼻の先に人差し指をチョン、と乗せる。
「...なに?」
若干眉ををひそめたメェメェは、コーヒーカップを置かずに目だけくくに向けた。
「またまたぁッッッビヨウには結構きを遣うの・に!!!ベァーが出る程けんくーしてくれちゃってッッッ」
がちゃんっ、とコーヒーカップを置き、くくの指をぱっとどかした。
「そうだったんだ...。」
とクマがてきた事実よりそれに気を付かなかった事にショックを受けているようだ。
「てきどに休憩とらないとぉッッッ、けんくー材料のために夜も出歩いていたでしょッッッ!!!」
と、くくはメッ!というように手で全力でバッテンを作る。
「!さてはストーカー」
一瞬ぎくっと肩を動かした後、もっと怪訝そうな顔をしてくくから出来る限り距離を取る。
「ゴマカシヘタヘタぁ〜〜〜ッッッ!!!」
と、ふいにくくが立ち上がった。トイレとかな?と思ったけど、本格的に戻りそうだったから、メェメェも立ち上がる。
(体調管理、しっかりしなきゃ。くくはどうして夜わたしのことを見ていたの...やっぱりストーカーとしか、いや、誰かに聞いたとか)
メェメェがくくの大きな背中に向かってあ..、と話しかけようとしたその時、くくがバッと振り返って、
「きゃっ...!?」
クシャクシャッッッッ!!!とメェメェの頭を撫でた。これにはさすがのメェメェも驚き、頬を少し赤らめた。
「きをつけなぁよッッッ!!!ボクみたいにメェメェを襲うヒトタチなんてメニメニメニやからッッッ!!!」
と、珍しくマジメなお話。
「ど...どうして関西弁?」
と、ポォッと聞いたら
「ソコじゃなあいッッッ!!!」
とくくに突っ込まれた。メェメェは、「コーヒーまだ飲みたいから戻る」と、くくをおいてスタスタと席へ戻っていった。
周囲にもたくさん大学生がいたが、
(あ〜..あの2人、またやってるよ)
(付き合ってんのかねぇ...くくのことはどうでも良いが、あの子カワイイし頭めっちゃ良いから羨ましいわ...)
(ロン毛と青高めツインテール、奇抜な髪どうしまたやってんな〜あー、けっこうあいつ胸が...)
「ちょっとどこ見てんの!?サイテー!!」
「ブシッ!!み、見てねぇって」
と、見て見ぬ振り。
と、その時、
「っ!?」
ーーーむにっ!!
くくが、口角が下がらない内に、青ざめていく。
くくの手が、メェメェの胸にーー..
「は?」
背後に炎が見えるメェメェがくくから遠ざかる。口は笑ってあるが、ヒヤ汗がやばいくく。
(えっ俺見ちゃったやっぱあいつら付き合ってんのか!?)
(え...くくって人、最低...)
(うおおお!ぷるんってした!俺も触ってみてぇ...)
(ーーとか男は考えるんだろうな。かわいそう...!)
「ブチボコシテクダサーーー」
くくが最速で土下座した刹那、助走をつけたメェメェ渾身の蹴りがモロ。
「あのッッッ故意でムネを触ろうとしたのは相違ありませんッッッメェメェが避けられると思って、すみませんッッッ左右に反復横跳びしながら手をモキモキしながらゆっくり近づi..」
と、くくがふいに顔を上げたら、ーージンジン腫れて痛んだーーメェメェは、「あまい..」と、呟いていた。
んんむ???とくくが様子を伺うと、さっきまでブラックだったコーヒーに、砂糖がドップリ浸かっていた。その顔は、女の子らしい顔。
「ストーカーしていたという可能性は上がる」
と、メェメェは急に真顔になって頷く。
「ウェイとッッッ!!!タマタマ見えただけッッッ!!!そのアイッッッやめないでッッッ!!!」
と真顔でシュババッと否定しているので、そのようだ。
(そぅれにjkのルーム近づいてバラバラプリンスから睨まれるのウィウィんだよね〜ッッッ!!!j...ん、アレッッッ!??!)
「あ、そろそろ時間。」
と、ハッと我に返ったくくの魔の手がーー..
ギンッ!!!
「おおう...その目ゾクゾクするうッッッ...ハァハァッッッそのとーしッッッ!!!」
(やっぱりただの変態だけど、くくはいつもわたしの心配ばかりしてる。心配かけさせるようなことするわたしもわたしだけど..)
「くく」
「ん?」
ガタッともう帰る気満々のくくに、本人は無意識の上目遣いで、
「あ...りがとう」
ううん、やっぱメェメェはいつか本気で襲われそうで怖いな、とくくは屋敷に帰る途中であごに手を当てた。
(というか、ボクがタッチする時に気づかなかったのって)
ふいに思い出される、あの砂糖ドップリコーヒー。
(ブラックをふぁいとふぁいとで飲もうとしたけど苦すぎてぼーっッッッ!!!)
くくが短く笑った。そして、笑った途端に、まぶたの裏にはjkの顔。
(ハァレレレッッッ???さっきも、メェメェと会ってる時、ボク他の人のこと考えたことなかったのに!!!)
はってはってふっすぃぎ〜!!!と歌ったら、歩きがスキップに変わる。屋敷に一歩近づくたび、心臓がもっと高鳴る。
(jkの、あんな顔もこ〜んな顔も、見てみたいッッッ)
くくがこう思うのは、数多いお気に入りの女性達の中からのトップ中のトップの人達だけ。
(帰ったら、どんなアイでボクを見つめてくれるのかなッッッ???」
声に出ていた事にも気付かず、くくは、ついに走り出した。
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