ご指名は?1.5 〈くくさん達の日常〉
桜..。
「リアルでは四月ですね〜..」
窓の外の桜を見ていた。花々が咲き乱れてなんとも美しい。
「それはじめ!で書いたし言わなくて良いだろ、そして本編では季節感皆無だし季節合ってないって言われてもピンとこないし。ちなみにここはリアルと合わせたパラレルワールドの世界だから。本編とあってるようであってなくてあっているみたいな感じでパラレルワールドだけどパラレルワールドじゃないって作者あやふや過ぎ。そういえばやっぱりあんた進級しないんだ。まぁ留年も考えられるけど」
「長々と大人の事情言ってサラッとこの世界の意味分かんない説明して何気にdisんないでくれる!?」
私はガタッと立ち上がり、正面でぬいぐるみを撫でてずっと座っている菜太郎をギンッと睨んだ。
「ていうか私とあんたしかいないのにテーブル長っ!!」
軽く30人は座れそうな..!
「なにここ..他の皆さんはどこ行ったんだろう..」
だろう..ろう..う..と若干響いた。
「いるけど、今は都合悪いから2人だけなんだよ。」
ハッとした。
「まさかあんたのマホウとやらで!?」
「違う。そういうもの。僕はどっかの誰か達みたいにあんたに気があるわけじゃないし、公平だろって。しかもリアルな事情話せるの僕だけだから。」
??なに?よく話が頭に入ってこなかった。
「あと一つ、季節はあるらしいけど年齢は変わらないらしい」
「じゃあなんでさっき留年とかいったのかなぁ〜?」
と今日イチこの部屋を響かせる。
「あんたならあり得そうだから」
「ケッ、どうせ実技も座学も赤点ばっかですよ!!」
やっぱりな、と、馬鹿にしたような笑いで頬杖して私を見てくるもんだから、何かこっちも意地悪言ってやりたい。
「ねぇ菜太郎くん!」
「声音気持ち悪」
一瞬にして冷静な心をマグマのごとく熱くさせた男がいるけど、椅子に座り直して私は続ける。
「そのぬいぐるみをマジカルステッキみたいにして、なんかこう、フリフリの、いかにも坊ちゃーんって感じの服に変身」
「あんたの趣味押し付けないでくれる?」
くっ..。相手の方が一枚上手なようだ。
「性格が良ければなぁ...」
と、思わず本音を漏らしてしまった。
バチッ..バチバチバチバチバチッッッッ!!!!!
「っきゃーーーーーー!」
と慄いた。電気の波が蛇みたい絡まってきて、それが私の体を天井に押し付ける。
「もう1回」
「さっ、さっせんっしたぁぁ!!というか何この力ぁ!!本編より強力ぅぅ...」
あなたの意識が途絶えるまで、あと30秒。
ここの部屋にいた記憶は無くなる。
バチッバチバチバチッッッッ!!!!
「無駄に大がかりだな」
「無駄に大がかりね。」
「!!」
振り向こうとしたその瞬間、菜太郎の意識が遠ざかったーーー。
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