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ご指名は?1.5 41

「さすが葉太郎女性に優しいね!俺もそう思うよ」

は、はははは隼人さんまで..!??

私のマヌケな顔を見て、隼人さんはこぶしを作って口をおさえた。

「あははっ!どうしたの?」

え、え笑顔が眩しすぎて目が痛い!

「ええ..あ、あの..」

葉太郎くんがガタッと立ち上がった。

「お前も女の人には優しいんだな〜!」

え、葉太郎くん、笑ってるけど、なんか、後ろに炎が見える..!?

「葉太郎ほどじゃないよ!」

隼人さんが笑いながらビシッと言い放った。

は、隼人さんの背後に黒ずんだオーラが..!!2人とも笑ってるのに目からバチバチ音がするような..。

「え、あの、お二人ともー..?」

と、空気が悪くなったのでおずおずと2人を見上げると、

「あはははっ!にゃるほどー...♪」

華夜さんが、手にあごを乗せてテーブルに肘をつけた。その表情は、エサを見つけた美しき猫..!!

「え、なにがですか?」

と、ふいに華夜さんが立ち上がり、モデル歩きのような美しい歩き方で、私の椅子の後ろにきた。

「華夜さん?」

と、隣の隼人さんが華夜さんの方に振り返った。

その時、華夜さんは私に顔を近づけた。

「!」

「くくくんだけじゃないようね、貴女を守る相手。」

耳に、華夜さんの吐息がかかる。

「えっ!??」

私が華夜さんの方に顔を向けると、華夜さんは美しい歯並びを見せて、笑っていた。手触りが良さそうな、ツヤツヤしている髪を耳にかけて。

「ええぇ..!??」

あはははっ、若い〜っ!と何やら興奮して自分の椅子に戻っていった。どういう事!?!?

「...一体何を話していたんですか?」

隼人さんはそう言う割に、その声はサラサラとしていた。葉太郎くんは、何を話してたんだ?とクエスチョンマークが頭の上に乗っかっている。

「本当に羨ましいなぁ...」

華夜さんが何かをボソッと呟いた瞬間、ドタドタドタ!!!

「!?」

音がした方を振り向くと、やはりくくさんがいた。

「くく、大丈夫なの?」

誰かがそれを言う前に、今までずっと黙っていた菜太郎が口を開いた。華夜さんはまだ笑ったまま。

「うううんッッッ!!!ねェー!!!それより遊ぼー!!!おぅおぅお」

とただてさえテンション高いのに、今はもっと高めっぽいくくさんが華夜さんに近づく。

くくさんはくくさんだな..。

「ちょっ、いきなりそんな事言っちゃ失礼だろ!菜太郎もぼーっとしてないでくくに言えッッ!!」

菜太郎は完全に華夜さんの方を向いていた。だけど、それを感じさせないくらいに早く葉太郎くんの言葉に反応したのに気付いた。

いや、ホントに一瞬だけ見えたけど、いつのにも増して険しい顔してたな!やっぱり2人はーーー

「五月蝿い。黙っていろ」

その声には余裕が全然無かった。くくさんは華夜さんの体を触ろうとしてOぉううッッッ!!!と笑顔でぶたれていた。

「葉太郎叱ってるところごめんだけど、鈴ちゃんのおばあさんからのお達しなんだ」

と、隼人さんは立って、葉太郎くんに申し訳なさそうに言った。葉太郎くんがガミガミしていた手の動きを止めた。

ええ!?おばぁちゃん皆でレッツレクリエーション系好きだな!ありがとうございますッ

「えっ、あそうなのか、菜太郎すま..」

と、葉太郎くんの謝罪も聞かずに、ふーっ...と菜太郎は小さく深呼吸していた。でも葉太郎くんはそれに気付かなかったようで、

「ん?聞いてんのか」

「..怒ると本当に何も見えなくなるな、馬鹿丸出し」

なんだとォォォ!!?と双子ゲンカ勃発。ああ..1日何回ケンカするんだろこの2人..。目の保養。

「あ、あの、遊ぶって何をすればいいんですか?」

と、何となく私も立って、隼人さんに話しかけた。そしたら、隼人さんが嬉しそうにニコッと笑って、

「うーん..でもあまり決まってないんだよね。鈴ちゃんが決めてい..」

と、そこで、くくさんがズササーッと私たちの間に手刀で割り込んできた。

「きぃもだめしよッッッ!!!」

ヒェッッ!?

「肝試し?夏とかじゃあるまいしなんで?鈴ちゃん怖いのとか大丈..」

「うっ..」

肝試しなんて、ーーー..!!

「山田ッッ!!」

「鈴ちゃんっ!」

トサッ..

「...大丈...夫..............................................?」

倒れそうになった私の肩を、スウさんが支えてくれた。

「あっ..」

お礼を言おうと振り返ると、思ったより近くにスウさんの顔があったもんでーー..

「うっわああっ!あっ、いや、ごめんなさい!!」

と、私はすぐにスウさんの手から離れて、ペコペコ頭を下げる。

「大丈夫かッッ!?」

と、葉太郎くんが心配してくれると、華夜さんもあらあら!と私のもとに近付いてきてくれた。

「貧血とか?」

と、華夜さんが私を椅子に座らせた。華夜さんは自分は椅子に座らずに、床に膝をつく。

「すみません、違うんです、ちょっと、怖いのがニガテでーー..」

と、私はカタカタと小さく震えていた。そしてテーブルに伏せる。情けない..でも、き、肝試し以外のにして欲しい!!

「Oぉう...jk震えてる...」

と、くくさんが私の頭を撫でた。いつも強引に触ってこようとするクセに、その撫で方は優しすぎる。驚いて、逆に固まってしまった。

「くく、肝試し以外のでいいでしょ?」

と、頭上からバキボキと恐ろしい音が降ってきた。い、いや脅すくらいだったら肝試しでもーー!

「あの人からのお達しだろ」

と、1人クールに菜太郎。

「いえす」

くくさんの影が動いたから、コクッと頷いたらしい。

「え、ええっ!?」

隼人さんと私は見事ハモった。




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あきゅろす。
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