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ご指名は?1.5 28

「なんてね、冗だ...」

「隼人ッッ!!」

葉太郎くんが、私の手と隼人さんの手を離した。

「山田困らすんじゃねぇ!」

愛の救世主が注意してくれている間にもーー..

ああああ心臓の奥がぐぎゃんとしてやばいいい!!ドキドキよりドゴンドガンくらいうるさい!

「ごめん2人とも!並ぼう」

ごめんと言いつつ、隼人さんは私の手首をパシッと掴んだ。

「!」

「あオイ.....!」

そしてそのまま私達は最後尾に。運良くスウさんの後ろに並べた。私達の後ろにお客さんがまた並ぶ。

「こんな人並んでるって、ここ人気なんだねー」

「そうだなあ」

葉太郎くんはあごの下に、指を小さく添えた。

いや、それより、隼人さんの手がまだ手首にあって..!強引にバッと離してまた変な空気になるのもなんか嫌なので、そのままにしておく。

「.................」

ふと、スウさんの方を見ると、ばっちり目が合ってしまっーーと、合いそうな瞬間には目を逸らしていた。私の得意技。

ま、まだ周りに美男子様様方がいることに慣れていないなア。慣れられる人は、あの、きれいなひと、くらいじゃないだろうか..。

と、どこかでゲホッ、と咳き込む音がした。多分菜太郎。そして、多分、ホストの時に来ていたきれいなひとは菜太郎の元彼女。

「それで、鈴ちゃんは何食べたい?」

と、隼人さんがアイスのメニューが書かれた看板を指差す。

「え、えっと、チョコとバニラですカネ..」

と、指差された方向が私がいる方向だったので距離が近くなってしまった。顔から煙が..!

「スウは?」

スウさんはううん...というようにメニューを見つめる。

「...バ...ニラ......か...な...............................」

と、スウさんの声音は軽やかだった。無表情だけど、なんか雰囲気的にワクワクしてるっぽい。なんかほっこり。

「俺は抹茶かな〜、葉太郎も?」

と、隼人さんが葉太郎くんの方を向くと、

「いや、俺はクリームソーダがいい!」

と、ここにも目を輝かせる少年が..!はあかわいい。

「へぇ、抹茶とか和風の食べると思ってた」

たしかに、葉太郎くん習字もついこの間やってたし、部屋は和室が良いって言ってた。

「和の文化は好きだけど、味は洋風の方が好みかもなー」

家庭訪問用の和菓子はキレーで好きだけど、と葉太郎くんがうんうんと頷いた。

「葉太郎くん私も!」

と、食べ物洋風派に賛同する。

凝ってて見た目が華やかな和菓子も、先生食べずに帰った場合、それを食べるのを唯一の楽しみにしてたなあ..。

「2人ともそうなんだー、スウは好きな食べ物とかなに?」



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