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夢幻の唄
夢幻の唄をもとめて

「夢幻の唄」、それがこの世界を救う唯一の手段と信じられる様になってから一攫千金を夢見る冒険者が次々と生まれた。
 「夢幻の唄を発見した物に望む全ての物を与える」、世界政府が条例として正式に公の場に発表したのだ。
 世界から数えきれない人達が旅だった。しかし、10年経っても20年経っても夢幻の唄は発見されなかった。
 その条例も人々の記憶から消え去ろうとしていた100年後、それでも夢を諦めない、諦めの悪い人達は残っていた。そして、あたし、リリー・ペディグリーも夢幻の唄を探す諦めの悪い人達の一人だった。

「この町にもないか…」

 あたし、リリー・ペディグリーは親子3代に渡って夢幻の唄を探していた。ただ、2代目、つまりあたしの父親は馬鹿らしいと言って探そうとしなかったが。
 あたしのお祖父ちゃん、初代は夢幻の唄のありか等、何のヒントも手掛かりも無い中、闇雲に探していた。
 伝説や神話があると聞けば、どうしてでもそこに行った。そう…どうしてでも。
 そんな初代の姿を見て馬鹿らしいと言ったお父さんの気持ちは良く分かる。あたしも初代からそれを学んだ。だから、あたしは自分の足で、歩きだけで探してみようと思った。
 故郷からは旅立ってもうだいぶ、経つ。この町もあたしの記憶に夢幻の唄に関係無い町という大雑把なフォルダの一つとして残るに過ぎないと思っていた。
 この「ホープ」という名の町のその森でその子に出会うまでは…。



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