Vinca major 【西浦】 2 「さっきはごめんね、泉くん。」 三橋くんが具合悪そうにしていたのも気にかかるけど、 とりあえず、泉くんに謝ることにした。 「あー、全然。あれはあいつが悪いよなー。」 「ほんと。泉くんのこと少しは見習って落ち着いてほしいよ。」 野球部に入ってから。 同じクラスの三橋くんと、泉くんとはよく話すようになった。 三橋くんはなかなかすんなり会話ができないけど、毎日話してるうちに話せるようになって来て、すごく嬉しい。 泉くんはわりと気にかけてくれてる。 「おいかほ、さっきは悪かったってー」 いつもより幼い顔でいってくる悠一郎。 「許さない。」 「帰ったらホワイトサワー奢るから!」 少し心が揺らいだけど、ぐっとこらえる。 「いーから。合宿に集中しなって。 もー、泉くんを見習ってほしい!」 「分かったよー。頑張るから、おこんなって。」 「もう怒ってないから。」 「怒ってんじゃん!」 「もーいい。ちよちゃんー!」 これ以上話しても埒が明かないから、 ちよちゃんのところに、避難した。 「ほんとなかいいよね!」 「えー…。うれしくないなあ、悠一郎なんてなー」 そういうと目を丸くして私を見つめるちよちゃん。 「あはは、ケンカするほどなかがいい、だよ。それに、私が言ったのは、九組って意味なんだけど。」 おもわず、顔が赤くなる。 仲良い=悠一郎になってた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |