Destiny〜if〜 6 メイリン・ホークと名乗った少女は部屋の前で止まった。 「女性の船員室で開いてるのはここだけなので、多分ここがローズさんの部屋になると思います」 「ありがとう」 メイリンは、あらかたの説明を終えるとにこりと笑った。そしてすこしだけうつむいた。 「メイリンさん?」 「あの〜、聞いてもいいですか?」 指をあわせて押し合い上目づかいで、フレイを見上げた。 「え、なに?」 「ローズさんは、そのぉ…アスランさんの恋人…ですか?」 がんっ!と岩で殴られたような衝撃をうけた。その質問は、もの凄ぉ〜く不本意だ。キラの親友とどうこうなるなんて考えただけでも吐き気がする。 「そう見えるの?」 かなり嫌そうに言うフレイにメイリンは顔を輝かせて 「違うんですねっ!」 と言った。どうやら、彼女はアスラン・ザラに一目惚れしたらしい。以前に面識があるなど知らないフレイにはそう見えた。 (でも、あの人。他に恋人がいる気がする) そんな思いがちらりと頭をよぎるものの、確証などない。それに、瞳を輝かせているメイリンにそんなことを言えるハズもない。 「よかった〜。…あっ、なんでもないです」 思わず漏れた本音を誤魔化すように赤くなった顔を振った。その仕草がかわいくて、妹みたいだなとフレイは思った。 [前へ][次へ] [戻る] |