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Destiny〜if〜
9
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「ごめんね」
そう断って恐る恐る頬に触れる
「…っ!!」
「大分つよく殴られたみたいね…でも、冷やしていればすぐによくなるから」
言いながら冷却シートを準備する。
「自分でやる」
「えっ」
彼は、言うなりフレイの手からシートを剥ぎった。
乱暴に奪われた弾みで他の用具がガチャンと派手な音を立てて床に散らばった。
「…っ「シン!?もう、ローズに八つ当たりしてどうするの!ホントにお子様なんだから!!」

ルナは少しばかりきつい口調で諭すとシンの眉尻が跳ね上がった。
「うるさいなっ!年上ぶるなよな!」
「なんですって〜!!」
「ルナ、医務室は静かに。ね?」
声をあらげかけたルナマリアにそっとフレイが言う。
その決して大きくない声が室内に不思議な穏やかさを取り戻した。
「シン君。顔」
「え?…ぃっ」
キョトンと返した声はシートを張る僅かな痛みに変わっていた。
「よし…っと」
治療をあっという間に終わらせてフレイはにこりと笑った。
「あ、どーも」
微かに交わした視線でシンが顔を赤く染めた。
それが、照れによるものなのか、子供扱いされた怒りによるものなのかは解らない。

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