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Destiny〜if〜
動き出す運命
とってつけたような理由。だがしかし、フレイはそれから逃げる術を知らない。
あの時と同じ。2年前、やはり同じように命を救われて、しかし同時に命を落とした。やれることは何もなく巨大な運命の渦に飲み込まれるしかなかった。
―…でも、今は
今は違う。違うと信じたかった。飲み込まれるのではない、自分の意志でこの渦に飛び込むのだ。結果が同じでも少女の瞳には守るべきものを見出だした強さがあった。
その強い光を見届けて満足気に議長は頷いた。
「ちょうど君と同じ配属になったパイロットがいてね。彼と一緒に行ってほしい。アスラン入ってきたまえ」入ってきたのは蒼い髪と憂を帯びた緑の瞳が印象的な少年だった。
「アスラン、何度もすまないね」
「いえ、彼女は?」
少年は、私服のフレイをみて議長に尋ねた。
「あぁ、彼女は君と同じ船に配属になった医療スタッフだよ。名前はフレイ・アルスター。」
「アルスター嬢、彼はアスラン・ザラだ。アスラン、艦には彼女と一緒にいってほしい詳しい話は彼女から聞き給え」

「え?」
「手続きはこちらですませておくから準備が整い次第出発してくれ」
議長は手早く話をすませ、部屋を後にした。残された二人は互いの名前に小さな引っ掛かりを覚えて一言も話さなかった。

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