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Destiny〜if〜
動き出す運命
「君の運命が動きだすよ」
薄暗い部屋で、プラントの最高権力者は優雅に言った。
『運命が動きだす』だなんて、大仰な言い方だとフレイは思う。今、自分の命も運命も彼の手のなかなのだから。
昨夜、思索に耽った末にフレイは考えるのを放棄した。考えたところで答えなどないことに気付いたのだ。命があるという現実を放棄できないなら、精一杯生きようと決めたのだ。それがリナ達への抑止力になることを願うしかないのだから。
「議長は、私にどうしてほしいのですか?」
フレイは、静かな口調で尋ねた。その瞳は例えるならば、冬の湖。穏やかでいて凛とし、小さな光も反射して輝くような。
つい先日まで、怯えたような表情しか見せなかった少女の変化にデュランダルは口元を笑ませた。
―…‥これだから女性という生きものはやっかいなのだ。
だが、その強さがやっかいだと思いつつ、好ましく映るのは誰かの面影を見出だしているからだろう。
「フレイ・アルスター。君には、ミネルバに搭乗してもらう」
「ミネルバ?」
フレイは嫌な悪寒を感じつつ鸚鵡返しする。
「戦艦だ」
―…っ!!
思いがけない言葉に総毛立つ。いま、なんと言った?

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あきゅろす。
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