Destiny〜if〜 動き出す運命 『…繰り返しお伝えします。昨日午後、大西洋連邦をはじめとする地球連合各国は我らプラントに対し宣戦布告をし、戦闘開始から約10分後、ミサイルによる核攻撃を行ないました。しかし、防衛にあたったザフト軍はこれを最終防衛ラインで撃破…』 モニターから繰り返し流れてくるニュース。目を逸らせばいいのに視線はしっかりその悲劇を捉えて離さない。 目を覚ましたフレイは、おそらく軍の医務室だろう場所でモニターから流れてくる映像に目を奪われていた。 「私のせいで…。私のっ!」 それなのに、どうして私は生きているんだろう。シーツを強く掴んだ手に涙が落ちた。 ―…プッ 『私はラクス・クラインですわ。皆さんどうかお気持ちを静めて私の話を…‥』 突然切り替わった画面に見慣れた少女が別人のように演説している。 「ミーア…」 穏やかにしかし凛々しく話す少女はまるで知らない人のようで、その姿が痛々しい。 その姿を見て思う。自分は、何をしているのだろうと。自分のせいで核はまた落ちた。なのに、生き恥を曝して憎まれるべきプラントの人間に匿まわれて。それでも、死を選ぶことができない自分。 キラが生きてる。その想いが死んで楽なりたい自分を引き止めていた。 「ばかみたい…‥」 身動きがとれない。心も躰も。 滂洋と時が過ぎ、翌朝にフレイは議長に呼び出された。 [次へ] [戻る] |