Destiny〜if〜 見えない明日 「君には本当に済まないことをしたね。フレイ・アルスター嬢」 プラントの最高権力者はそう言った。フレイは本能的な恐怖を覚えてその人の瞳を見つめた。底の知れない色だ、孤独を飼い馴らし諦めを知っている瞳。 (似てる…) 「外交処理上しかたなくだったのだが、まさか、把握している兵がいるとは思わなくてね…ジュール隊は優秀だな」 「もったいないお言葉です。事態を混乱させたこと申し訳なく…」 「いや、君たちに落ち度はないよ。すべてこちらの不手際だからね」 議長はフレイの方に顔を向ける。 「アルスター嬢」 「はい…」 強ばるフレイに困ったような微笑を浮かべる議長 「私は、そんな怖い顔をしているかな?」 「へ?っそんな事全然ないです」 ぶんぶんと首を振り否定するフレイにイザークは笑いを堪えるように肩を揺らした。場の空気が和んだのをみて議長はよかったと笑い、緊張することはないと言った後フレイ達に椅子を勧めた。 [前へ][次へ] [戻る] |