Destiny〜if〜 何気ない日常に8 「ねぇ…フレイ。オーブへ戻らない?」 「え?」 ミリアリアは真剣な瞳でいう。 「フレイに嫌疑が掛かってるのは知ってるけど。カガリがなんとかしてくれると思うの」 「でも…」 びっくりするフレイにミリアリアは追い打ちをかける。 「キラもきっと待ってる」―…ガタッ! 「フレイ?」 「わったし…わたし!戻れない!!」 「なんで?」 「だって…!!」 どうして戻れるだろう。あれだけ傷つけて、苦しめて、泣かせて。彼の前に行くし資格なんかあるわけない。 「キラは、泣かないの」 「なら、ますます会えるわけないわ。幸せに暮らしてるキラに私、会う資格なんか…!」 「本気で言ってるの?泣かなければ幸せだなんて、本気で思ってるの?」 フレイはハッとする。確かに泣かなければ幸せということはない。泣くことさえ自分に許していない苦しさを知っている。 でも、それでもフレイはキラには会えないと思った。会いたいと思う自分がいる限りそれは許されないと思った。 「ごめん。キラに…キラに伝えて。私は、今幸せに生きているって。ありがとうとごめんなさいって」 ミリアリアは長い沈黙の後小さくわかったと呟いた。 続く [前へ][次へ] [戻る] |