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Destiny〜if〜
何気ない日常に1
あの日、新たな名前『ローズ・クレスト』を貰ってから一年は経とうとしていた。リナはローズに惜しみ無く知識を与え、また、ローズも必死になり知識を吸収し今ではリナの右腕として看護婦業に従事している。
「エナ、気分はどう?」
ローズは、ベットに横たわる少女に問い掛けながらカーテンを開ける。
「ローズさん…」
「お早よう、エナ」
ぼんやりとしていた瞳に自分が映ったのを確認してからにっこりと微笑んだ。
「おはようございます」
彼女、エナ・リオールはこの施設に収容されている患者のなかで最も重い病状だった。体も、心も。
遺伝子の調整不良で寝たきりを強制された体。両親は戦時中に亡くしたらしく、親戚はコーディネイターのなり損ないである彼女を拒否した。哀しかったに違いない。ローズが始めて担当した患者だが、出会った当初『死にたい』としきりに話していた。ほぼ一年かけて明るく話せる仲になった。


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あきゅろす。
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