雲珠桜は夏に彩る 垣間見える物語の断片01 「私…………生きてる?」 私は唖然とした。 …………いやいや、待てよ?生きてるどころか未来に行ったはずの獄寺とかクロームとか…………普通にそこにいる。何故か砂埃が凄くてとても皆が帰ってきたとは思えないし、皆が逃げろって…………。 …………まさか未来来ちゃっ…………た? 「お前…………何者だ」 「へ…………?」 後ろの方から…………正確には後ろの、上の方から聞きなれない声が。 もし、ここが未来だとするとこの場は。 そう認識すると、急にここの景色がまるでデジャヴ…………。 振り向きたくない。でも心が振り向けと急かしている。振り向いたらなんて考えたくもない。頭の片隅で…………危険を示すベルが鳴り響いた気がした。 「貴様…………ボンゴレの者か」 「…………っ、幻…………騎士…………!」 「!何故私の名を」 「っユカ…………!」 見てしまった。 私からほどよい距離の所には、デジャヴ感が漂い、並中なら校則違反の切符を貰ってしまう眉毛をしている幻騎士の姿が見えた。そして私が今、置かれている状況も、残念ながら分かってしまった。 ああ…………私、未来に来ちゃったんだ。ずっとこれないと思っていた未来に。っていうか………… 私、ヤバくない? どうせなら雲雀さん側とか…………安全な方に居たかった…………と思うのはもう後の祭だった。 [*前へ][次へ#] |