雲珠桜は夏に彩る Cielo 05 「何これ……この端にいるの私……?」 舞い落ちた一枚の写真。 そこには撮った覚えの無い、ツナ、獄寺、山本……etc. と私の姿。 私の目線の先には雲雀さんもなにげにいて、私はすごく幸せそうに笑っていた。 何でこの人、こんなの持ってるの…………? 「…………う…………っ」 「!?」 急に男の人が身じろいだ。 それがあまりにも急だったのでどうしていいか分からず…………写真を持ったまま、回れ右をした。 こう言うときは逃げるが勝ち!! 私が今作った自論。完璧だと思う。もうこの人も大丈夫だろうし。 写真のことは勿論気にはなったが、今は変に目をつけられるよりいい。そのまま私は駆け出そうとした…………。 ぐいっ…………。 「…………ちょっと…………待って」 「!?は、離して…………」 急に体が後ろに傾く。私の腕には何かが巻き付いた。 私はビックリして、逃げ出そうと思って回れ右をしたって言うのに…………何故か今、倒れた男の人と向かい合う形になってしまった。 勿論腕は捕まえられたままだ。 男の人はボーッとした目で空をさ迷っていると思うと、私の顔を見て大きく目を見開いた。 なんか幼さの残る綺麗な顔だな…………。 逃げるのも忘れてそんなことを思ってしまった。よくよく見ればこの男の人は顔が整っていない訳ではないし………… 髪は所謂ハニーブラウンと言う色の重力に逆らった…………あれ、この説明どっかで聞いたことあるような? 一人でうーん…………と考える私。 すると、男の人がゆっくりと唇に言葉を乗せていった。 「………ユカ…?」 「へ?何で名前知って…………」 「……やっぱり、ユカ……なんだ………」 「え……あの、あなた誰なんですか?」 目の前で私の名を連呼する男の人。 こんな人、私知らない…………。 [*前へ][次へ#] |