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雲珠桜は夏に彩る
危機の中の出会い09







「ばぼっ!」


「ちょうど良かったよ、すぐに見つけられて。探す手間が省けた」


「そ、それは僕チンも同じさ…………」


「ふうん?まあいいさ。…………それより、よく僕の並盛中に落ちてくれたね。お陰で折角の景観が台無しだ」




その言葉と同時にディーノはグラウンドを見る。

…………成る程。




「ありゃあ、恭弥も怒るわな」


「ロマーリオ。…………いやでも普通、敵が目につくなり飛びかかるか?」


「………血の気が盛んなのです、委員長は」





後ろからぜいぜいと息を切らして追い付いてくるのは側近の二人。そして二人が今目を向けているのは、恐らく真六弔花デイジーが並盛中に墜落してきたときに出来た、クレーターだった。グラウンドのど真ん中に見事へこみができていて、少し地面がひび割れている。
骨が何本かいってもおかしくはない衝撃を受けたはずなのに、ここまでの衝撃を平然としているデイジーも不思議だ。





「…………っと、こんなこと話してる場合じゃねえな。恭弥、手伝うか?」


「手出しは無用だよ。邪魔しないでくれる?」


「そういうと思ったぜ」





明らかにその必要もないしな。
ディーノは構えを解き、持っていた鞭を下ろした。今の雲雀は本人を見る限り、焦燥に刈られてはいるがけして油断はしていない。だからこんな会話をしていても敵から目を逸らそうとはしていないし、自分が優位な立場にいるというのに気は一切抜かない。この分だとディーノが恐れていた事態が起こるようなことはなさそうだと思った。

流石は雲雀恭弥、とでもいうべきか。戦闘狂とだけあって戦闘の心得はいつどんな状況であっても忘れることはないのだ。
…………ならば自分達がすべきは、目の前の敵を全力で(出来れば早めに)倒すということだけだ。
ディーノは取り敢えずツナ達に、並盛中に真六弔花デイジーがいたということを知らせようと、耳の通信機に手をかけ電源を入れた。…………その時だった。





「ばぼっ…………ねえ、それもしかして仲間に連絡を取ってるの?」


「あ?」


「仲間の人ってユニ様の場所、知ってるんでしょ?…………教えなよ」


「!」





デイジーの体に纏う気が、一気に変わった。言い方は語弊を含むのであれば、まるで殺気の矛先が雲雀からディーノに変わったような。気の流れが変わった、とでも言うべきなのだろうか?
それと同時にデイジーの首が頭ごとディーノに向いた。




「!」




ディーノの目が大きく見開く。大きな爆発は起こるのは、その後の一瞬の出来事だった。





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あきゅろす。
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